2018年初夏ー再生

みっちぃと五郎さんが出会ったのは、2014年の気持ちいい秋晴れの日でした。陶芸作品とイルミネーションを組み合わせた個展「灯の杜」を開くために森をイメージした展示台を作ってくれる人を探していたところ、紹介してもらったのが五郎さんでした。すっかり意気投合した二人は、翌年から「五郎さんち」というユニット名で、年に一度のペースでイベントに出展するようになりました。

二人が顔を合わせるのは、イベントの準備~本番までの極限られた期間だけで、それ以外の時期は連絡を取り合うことも少なくなります。イベントが終わるとみっちぃは夏山へシフトしますが、このスイッチが入ると陶芸や木工には全く興味がなくなり、雲の上の世界の住人と化します。そして、大雪山が初冠雪を迎える頃にゆっくりと身も心も麓へ下りてきて、翌年に向けて少しずつ準備を始めていきます。

2014年当時、五郎さんが建てたアトリエの入口にはトレーラーが置かれていました。

敷地内にはもう一棟ログハウスがあります。今はギャラリーと呼んでいますが、ここはそば屋にでもしようと思っていたのでしょう。

あれから4年・・・トレーラーはいつの間にかなくなり、独立していた二棟のログハウスはウッドデッキで何となく繋がっています。ギャラリーの周りには長い冬を乗り越えられるよう壁が付けられて、内部は水洗トイレや洗面台などの水回りの設備が整い、お客様を迎えられそうな準備ができました。

先日出展した「あかびらツクリテフェスタ」では、近郊からの来場者も多く「五郎さんち」が赤平にあることを知ると、見に行きたいと言う人がいるのです。しかし、テラスには色々なものが乱雑に置かれていて、ゲストを迎えられる状態ではないのです。

まずい・・・片付けなきゃ。

イベント終了後の反省会で、良かったこと、悪かったことを話し合いました。今後の改善点なども見えてきて、色々な気付きがありました。せっかくこんなに広い敷地があって、素敵なログハウスがあるんだから、いつでもお客さんを受け入れられる体制にしておきたいと思いました。

たこ焼きパーティぐらいやりたいもの。

反省会で決めたこと

  • 五郎さんの作ったテーブルや椅子があるんだから、既製品は捨てよう。
  • 放置したままのみっちぃの陶器は処分して、五郎さんち専用のカップを作ろう。
  • ギャラリーの外壁に色を塗って、リフォームしよう。

「好きなように塗っていいよ。どんな風になるか見てみたい。」という五郎さんの言葉で、俄然やる気が湧いてきたので、その日のうちにホームセンターにペンキを買いに行きました。

まずは全部白く塗ってからカラーリングしていきたいので、マットホワイト(3,579円)をチョイスしました。

五郎さんの唯一の教えは「ペンキは薄めて使うこと」でした。みっちぃは惜しげもなくペンキを消費するので、いつも気になっていたのでしょう。

6月25日-作業前

あかびらツクリテフェスタが終わった翌日、間髪入れずに作業を開始しました。天候は曇りで、湿度が高く、向こう10日間は晴れマークのない予報です。蝦夷梅雨というやつですね。蜘蛛の巣やホコリなどを払い落とし、たっぷりの水でペンキを薄めて、手の届く範囲から塗り始めました。

6月25日-作業後

下半分だけうっすらと白くなりました。作業時間は30分~1時間ほどで、8時にアラームをセットしておき、制服に着替えてここから出勤します。

6月26日-作業後

前日とほとんど変わっていませんが、脚立を引っ張り出して、上の方も少し塗りました。

6月27日-雨

この日は雨だったので、外壁の塗装はせず、白い花台をアンティーク風に塗り直しました。外壁と同時進行していますが、毎日少しずつ色を濃くしていって、どの辺りで止めようか思案中です。ミルクペイントのホワイトとアンティークメディウムの組み合わせです。

6月28日ー作業後

この日も朝からどんよりした空模様でしたが、曇り予報だったので作業開始しました。手前側の方も塗っていきました。

6月29日ー作業後

4日間の作業で全体の4分の1ぐらい終わりました。ペンキの残量は半分ほどなので、全体を真っ白にするにはもう一缶必要になると思います。その後、柱を別の色にしようと思っています。毎日1時間ほどの作業ですが、朝のルーティンに組み込み、秋までに仕上がればいいなーと思っています。

顔を洗うのと同じように、ペンキを塗るのが生活の一部になるといいな。毎日やってたらそのうち塗装技術も身に付くと思います。

白い花台はかなり茶色になりました。乾くとアンティークの風合いに変わります。

みっちぃが何かをすると五郎さんも動きます。五郎さんは夕方ここに来ているようですが、アトリエのリフォームを始めた様子です。毎日少しだけ変化があるのが面白いです。

五郎さんちは次のステップへ進みました。

みっちぃの新作

「あかびらツクリテフェスタ」まで、あと3日になりました。みっちぃの陶芸作品の窯出しが済みましたので、新作を少し紹介します。

陶芸に関しては、3ヶ月前から緩やかに準備を進めていましたが、途中ニュージーランドに旅立ったりしていたので、マグ以外のものは、ここ1ヶ月ほどで作ったものばかりでした。この時期、お天気が良い日は山の誘惑に負けることが多くなるのですが、気持ちが離れないように登山は封印し、粘土と向き合うことにしていました。

新作のイメージが出来ていたのはマグだけでしたが、帰国後は色々とイメージが膨らんできて、後半は怒涛の追い込みになりました。結果として、作陶に集中できて、とても良い状態だったと思います。家に帰ったらヘロヘロでしたけど。(^^;

五郎さんが作ってくれた天然木の棚に窯出ししたばかりの新作「小人の家」を並べてみました。扉が取れたとか、ドアの取っ手がないとか、細かいミスはたくさんありますが、庭のオブジェとしては良い感じになったと思います。ランプシェード、キャンドルポットにも使えます。お皿を組み合わせて、お香や蚊取り線香にもいいと思います。

マグは先月のイベントに間に合わなかった分も含まれているので、50個以上はあります。掻き落としの新作は、ほぼイメージ通りの色が出せました。マットな質感で、渋い感じです。

2~3種類の釉薬を掛け合わせたマグには、一部ピンホールが出来ました。ルーターで突起を滑らかにしていますが、ワケアリ処分品として激安で提供します。

去年は湯呑みを型にして、丸い豆皿を作りましたが、今年は自分で型を作って3種類の豆皿を作りました。

まだテストしていませんが、カードスタンドも作りました。プライスカードや名刺などを立てておくのにいいと思います。

小さなフラワーポットです。多肉植物を寄せ植えして、並べたいと思います。

今週に入ってから、ペイント担当のみっちぃは仕事に行く前に五郎さんちに立ち寄り、ペンキ塗りをしています。大道具担当の五郎さんは仕事が終わってから、新作を生み出しています。同じ時間にこの場所に居ることはほとんどないし、特に打ち合わせをしていなくても、連携プレーがうまく出来ています。

週末は「あかびらツクリテフェスタ」でお待ちしています。大気が不安定で、天気予報がコロコロ変わります。お天気良くなるといいなー。

寄せ植え教室

「あかびらツクリテフェスタ」まで、1週間を切りました。みっちぃの粘土いじりも終わり、後は窯出しを待つばかりになりました。まだ紹介できるものがあまりないのですが、五郎さんちはここからの追い込みがすごいんです。

今年は「五郎さんちの庭」をテーマにして、ディスプレイをしていこうと思っています。ガーデニングの知識は皆無ですが、陶器と木工とお花を組み合わせると、見た目がグンとアップするので、みっちぃの鉢を使って寄せ植えを作ることにしました。お花に関する知識は皆無だし、大きな器を挽く技術もないので、小ぶりなものばかりですが、全部で8鉢ありました。

下の写真の左端はテラコッタ粘土を使った素焼き鉢です。左奥が無釉の焼き締め、右奥は白化粧土の掻き落としで透明釉を薄く掛けたもので、残り5個は全体に釉薬を掛けたものです。鉢の場合、釉薬の有無は、水はけの良し悪しに影響するので、大きな違いがあると思います。

砂川でオープンガーデンをしているOKUさんに協力してもらい、寄せ植え教室を開いてもらいました。せっかくの機会なので、facebookやLINEのお友達にお知らせしたところ4人ほど集まりました。鉢は持ち込んでもらい、お花はあらかじめ用意してもらった中から選ぶシステムです。鉢の大きさにもよりますが、一鉢に3株ほど組み合わせていきました。

詳しく見てなかったんですが、土は2種類をブレンドしたものに肥料みたいなものを入れていました。

器の底に軽石を敷きました。

お花を選んで、ざっくりとイメージを決めます。お花をポットから外し、ついていた土をサッと落として、鉢に植えていきます。低くて、背の高い花を入れるとバランスが悪かったり、こうやって実際に使ってみると、使いやすい器とそうでない器がありました。

自分の器の寄せ植えが終わると、皆で手分けして私の器も寄せ植えしてくれたので、1時間ほどで沢山作れました。

そして、五郎さんちへ移動して、並べてみました。下の写真の白いベンチは3年前にテーブルとセットで作ったものです。買い手が付かず、その辺に放置されていましたが、色を塗り直したら生まれ変わりました。座面の奥行きが浅いので、ベンチとしてではなく、こうやって花台として使った方がいいかもしれません。

手前にある背の低い棚は新作です。五郎さんに同じようなものを作ってもらっているので、これからもう少し増えますが、天然木を使った一点モノになります。

ちなみに天然木の買い付けはみっちぃがやっているんですが、道南の厚沢部町まで片道5時間の道のりを走り抜け、フィーリングに合うものを車いっぱいに詰め込んでくるんです。

寄せ植え教室については、OKUさんのブログで詳しく紹介されていましたので、こちらもどうぞ。

ローズミンタラ(寄せ植え教室)

2018年春-再会

今年は例年よりも雪が多く、五郎さんちは長い間、雪の下で眠っていました。五郎さんちの敷地には、2棟の建物(ギャラリーとアトリエ)があります。ひょっとしたら2棟とも雪で押しつぶされてしまったのではないかと心配していましたが、何とか無事だったようです。

写真は4月22日のものですが、久しぶりにみっちぃと五郎さんがこの場所に集まりました。みっちぃと五郎さんの会話は英語で始まりますが、挨拶が終わると次の単語が出てこなくて、すぐに日本語に戻ります。

今年も「あかびらツクリテフェスタ」の書類審査が通り、見事出展が決まりました。今年は何をテーマにしようかと作戦会議をしていきます。

そうそう、ブログをほったらかしにして、五郎さんちのことをほとんど紹介していませんが、五郎さんちは赤平市のエルム高原キャンプ場へ行く途中、大きなカーブの手前にあります。気を抜いていると間違いなく通り過ぎるでしょう。

道路側にある建物は、内部をかなり改装しました。水洗トイレもつけ、水回りも整備したので、カフェができるぐらいの感じまで整っています。本当にカフェとしてやるならば、保健所の厳しい審査をクリアしなければならないので、今は「ギャラリー」ということにしておきましょう。

かなり仕上がってきていますが、五郎さんはパートタイムで仕事を始め、みっちぃはフルタイムで働いているので、残念ながらほとんど不在なのです。しかし、こうやって2人が揃うと、眠っていた建物は活気に満ち溢れていきます。

みっちぃは、いつも五郎さんに無理難題を持ちかけます。

五郎さんはどんな問題にも「Yes, I Can」と答えます。

数日後にニュージーランドに旅立つみっちぃは、山小屋で使うメスティン(飯ごう)に水切り穴を開けて、湯切れメスティンを作ってもらいたいというのです。何か新しい作品のアイディアが浮かんだのかと思いきや、いつもこんな調子で二人は動き始めるのです。

まずは自分が欲しいと思うもの作るのが、モノ作りの基本だと思います。

コーナーに目印を付けて、ドリルで穴を開けるだけの作業です。

あっという間に終わるかと思いきや、意外と手こずる五郎さん。

穴がずれて、目印どおりにうまくいかない・・・

バリを取り、穴の凸凹を滑らかにして。

できあがり。でも、メスティンは作りがしっかりしていないのも多くて、実際に水を切ってみると、穴から出る前に横の隙間から漏れてしまった・・・笑

メスティンには、スモールサイズとラージサイズの2種類あって、スモールサイズは一人分のご飯を炊くのにピッタリですが、ラージメスティンはフライパンとして使ったり、パスタを茹でたりできるので、大小二つ持っていると便利です。蓋はお皿の代用にもなるし、四角いサイズはパッキングしやすいので、ニュージーランドに持っていった調理器具はこれだけでした。

 

五郎さんの新作ができました

広報活動が全く出来ていませんでしたが、五郎さんの木工作品が出来上がってきました。去年までに仕入れた木材を使ったものがほとんどなので、基本的に一点モノが多くなっています。

アシンメトリーの小鳥のおうちは、2軒あります。小鳥さん住んでくれるかなー。

脚付きのバードテーブルも2台ありますが、1台は売約済みです。

んー、これは花台かな?細い木をカットしたものを繋ぎ合せて、天板にしています。

ちっちゃいテーブル。

ストロングベンチは、大人3人余裕で座れるのと、短いのが2つあります。ふらのクリエイターズマーケットでは、あっという間に売れました。

車ごと出展できるブースなので、愛車のジムニーで乗り込みます。

週末の天気予報が微妙で、土曜日は雨マークがついていました。雨対策を考えないと。

みっちぃの器たちは窯出しが終わり、本日引き上げの予定なので、ギリギリ間に合いそうです。

「あかびらツクリテフェスタ」にエントリーしました

ふらのクリエイターズマーケットが終了してしまいましたが、あの素晴らしいイベントの想いを受け継ぐ新しいイベント「あかびらツクリテフェスタ」が開催されるという話が舞い込んできました。

全道各地から個性的なアーティストが集まると思うので、とても競争率は高いと思いますが「五郎さんち」もエントリーしました。

これから書類審査が行われ、出展の可否が決まります。審査通るといいな。