山小屋の確保

2016年5月のGW後半からマレーシア最高峰のキナバル山に登ってきました。あれからかなり時間が経っていますが、感じたことが色々あったので、順不同で書いているところです。1年ぐらい延々と続くかもしれません。(^^ゞ

山小屋の確保

キナバル山のあるマレーシアは、年間を通して寒暖の差があまりないので、雨の多い時期はあるものの、基本的にはいつでも登ることができます。いつでも登れるといっても、中腹にある山小屋を予約しなければ、入山が許可されません。キナバル山に登るための最も困難なハードルといえば、山小屋の確保かもしれません。

写真は私が泊まった「ラバンラタ・レストハウス」です。他の山小屋も歩いて数分の場所にいくつかありますが、ここで受付や食事を行うため、一番人気があるようです。

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色々調べていくうちに、山小屋に泊まらないで日帰りで山頂までピストンする1日4組限定の「ハードコア登山」というものがあることを知りましたが、ここでは一般的な山小屋確保について紹介したいと思います。

すべてお任せ!日本発着のパッケージツアー

航空券、ホテル、山小屋の確保、入山費用などすべて含んだ日本からのパッケージツアーが最も簡単で確実な方法だと思います。成田から日本人のガイドが同行するパッケージもあるので、言葉の心配があるならば、やはりツアーがいいのかもしれません。ツアー日程が数ヶ月前から決まっているし、10名前後の団体行動になるので、気ままな自由行動はできなくなりますが、初めての海外遠征ならば安心だと思います。

HISのパッケージツアーは、成田発で168,000円~299,000円と幅がありますが、有名なガイドが日本から同行してくれたり、ビジネスクラス(往路のみ)利用だったりとメリットがありそうです。北海道からだと成田までの移動にかかる費用が追加されます。

自然と文化の旅(NCT)

キナバル山の登山手配 | NCT自然と文化の旅
キナバル山はマレーシア・ボルネオ島にある標高4,095mの高峰。登山道は良く整備され高度のわりに登りやすい山です。私どもはその登山手配を13年余にわたり専門的に行っています。混みやすい山小屋泊の事前ブロック枠も用意しています

私はこの方法を取りましたが、コタキナバルまでの往復航空券と市内滞在中のホテルは自分で手配して、トレッキングに関する部分(移動交通費用、山小屋宿泊料金、山中での食事、ガイド料金、公園入場料、登山許可料、登山証明料)を日本の代理店で手配する方法です。

航空券に関しては、とにかくコストを抑えたいということもあり、毎日のように料金の動きをチェックしていました。GW中は通常の倍ほどの金額になるので、GWの終盤を絡めたザックリとした日程を想定しておき、それと並行して山小屋の空き状況を確認していました。

初めての海外登山だし、初めて行く国なので、不安要素が沢山ありました。

ネットで「キナバル 現地ツアー」などのキーワードで検索すると上位にヒットするのが「自然と文化の旅(NCT)」ですが、ここのホームページでは、山小屋の空き情報が確認できるようになっていますが、リアルタイムなものではなかったので、希望日に空きがあるかメールで問い合わせをしたところ、ちょうど1名分の空きがあり、そのまま確保という流れになりました。

この問い合わせをしたのは、出発の12日前だったと思いますが、ここからはあっという間に進みました。パスポートのコピーなどはメールでやり取りして、旅程表やガイドブックなど、物理的な書類は出発の3日ほど前に郵送で届きました。

トレッキングにかかる費用は、RM2,100(2016年4月現在)でした。日本円にすると「65,655円(クレジットカード決済手数料込み)」になりましたが、これはコタキナバルまでの往復の航空券よりも高かったです。一人参加の場合は、どうしてもパーティよりも割高になりますが、今回の目的は「キナバル山に登ること」だったので、現地に着いてから行き当たりばったりでツアーを探すといったことは全く考えていなかったです。

出発までのNCTの対応もスムーズで好印象でしたが、現地では登山口まで行く間に「パンク2回」というトラブル(これについては別の記事で書こうと思います)がありました。しかも、現地で起こったことがNCTに伝わっておらず、帰国後1週間ほどしてから痺れを切らし、こちらから連絡を入れての発覚となりました。現地のドライバーやコーディネーターに問題があるようですが、安全・確実なトレッキングを考えて、あらかじめ日本で手配していったのに、この対応の悪さから印象は悪くなりました。

バックパッカーの宿でアレンジしてもらう

日程に余裕があるなら、この方法がいいかもしれません。世界一周をするような旅慣れたバックパッカーは絶景を求めて登山を好む人も多いです。しかし、世界遺産とはいえ、コストにうるさいバックパッカーが1泊2日のトレッキングに6万円を払うとは思えなくて、他にもっと安く行ける方法があるんだろうと思い、帰国してからさらに調べてみました。

下の写真に写っているのは、ホテルまで迎えに来てくれたドライバーと近くの宿でピックアップしてきたスイス女子です。彼女達に幾らかかったか直接聞けば良かったなと思いました。それにしても、軽装すぎるんですけど。(^^ゞ

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2015年の地震の影響で使えなくなった山小屋もあり、今使える山小屋は3つだったと思います。ベッド数は130ほどありますが、ツアー会社がかなり早い段階で確保するので、一旦満室になるようですが、直前になってキャンセルがあったり、ツアー会社からの戻りが出てくるようなので、現地に行ってから直前に手配でも不可能ではないようです。人気のある時期は難しいかもしれませんが、閑散期だったり、私のように一人ならば、空いた隙間にスッーと入れるかもしれません。

この方法ならば、市内からの送迎を合わせても3~4万円で行けるという噂です。

Globetrotters Lodge
http://www.borneogayalodge.com/

Trekkers Lodge
http://www.trekkerslodge.com/

Borneo Backpackers
http://www.borneobackpackers.com/

Masadabackpacker
http://www.masadabackpacker.com/

あとは、山小屋を管理しているステラハーバーのオフィスへ直接行ったり、メールや電話で直接申し込む方法がありそうです。コタキナバル市内から公園受付までの移動が自前になりますが、それを合わせても安宿でアレンジしてもらうのと、ほぼ同額になると思います。

ステラハーバーのサイトでは、オンラインでの予約はできなくなっているので、メールの場合は、コンタクトフォームから問い合わせることになると思います。

Sutera Harbour Resort | Best City Resort in Kota Kinabalu
WELCOME TO SUTERA HARBOUR RESORT Overlooking the tranquil South China Sea, with views of tropical islands and the majest...

次にキナバル山へ行く機会があるかどうかは分かりませんが、これから目指す海外遠征のこともあるので、トレーニングと高度順応を兼ねて、2年に一度ぐらいは行きたいなと思いました。そのためにはやはりコスト削減ですね。うまくいけば北海道から10万円以内で行けるんじゃないかと思いました。(笑)

必要なのは少しの勇気と行動力、そして健康な体

行く前に自分で調べたこと、行ってみてから分かったことなど沢山ありました。調べている間はとてもワクワクするし、実際に現地で行動している時よりも夢が膨らむものです。

私は、楽観的で自由奔放なタイプなので、じっくり考えるよりも実際にやってみる方が好きで「やれば何とかなる」という感じで適当にやっています。協調性と社交性に欠けているので、誰かに合わせたり、気を使ったり、使われたりするのがとても苦手です。現地での出会いを楽しみにしていることもあるので、旅に出るときは一人で動くことを好みます。不安も緊張もありますが、一人で知らないエリアに行った時に自分の中のありとあらゆる感覚が使われるのがとても好きです。

今の私に圧倒的に足りないのは語学力です。20年前に英語を真面目に勉強しようと思っていた時期もありましたが、日頃から使っていないと忘れてしまい、今では簡単な挨拶程度しかできません。読むことと聞くことについては理解できることもありますが、書くことと話すことは苦手ですね。滞在中は訛りの強い英語を話す人も多かったし、耳が真剣だったので、短期間でかなり聞き取れるようになりました。その後は、マレーシアで知り合った友達とチャットをしたり、スマホアプリで勉強したり、日常的に英語を使うように心がけています。次の目標はキリマンジャロですが、スムーズにやり取りができるよう最低限の英語は身に付けておきたいです。

もちろん、旅に出る時にはお金がかかります。私はお金以外のことに関しては、かなりアバウトで勢い任せのところがありますが、お金に関してはどこから沸いてくるものではないので、目標金額と期間を設定して、毎月いくらずつ貯めればいいかを逆算してコツコツ貯めるようにしています。

飛行機のチケットやトレッキングにかかる費用はすでに日本で精算済みだったので、家を出発するときの所持金は5万円でした。駐車料金と羽田⇔成田の移動で1万円、現地で3万円両替、1万円はヘソクリです。クレジットカードはAMEXとVISAの2枚だけ持ちました。

初めての場所に行く時、新しいことを始める時、何かにチャレンジする時、新しい一歩を踏み出す時に必要なのは少しの勇気と行動力、何よりも健康な体だと思います。お金がない、時間がない・・・と、できない言い訳を先に並べて、その先にどんな未来が待っているのでしょう。いつまでも若くて健康ではいられないけれど、そのための努力を普段からしておきたいものです。

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北海道の夏山シーズンも到来しているので、色んなジャンルの話が、まだまだ続くと思います。

関連レコ

キナバル山トレッキングに関しては、ヤマレコにアップ済みです。とても長いですが、詳細に記録しています。興味のある方はどうぞ。

【夏山スタートは海外で】マレーシア最高峰 キナバル山(4,095m)

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