伊羅保・ワラ灰マット・織部

西日本では大雨による土砂災害で多くの人が亡くなり、まだ安否が確認できていない人も大勢いて、自然災害の恐ろしさを目の当たりにしました。北海道も例年にない雨が続いていて、7月に入ってから雨が降らなかった日は1日か2日だったような気がします。このままでは農作物への影響も避けられないと思います。

長期予報では、今年は猛暑のはずだったのに・・・。天気予報もコロコロ変わり、2日先の天気も読めなくなっています。

いつもの年ならば、イベントが終わると陶芸スイッチがブチッと切れ、夏山スイッチがカチッと入り、それまで真剣に取り組んでいた陶芸からは一気に気持ちが離れていきます。しかし、のんびりお山に行けるような登山日和の日が全然ないので、7月に入ってからの週末も粘土いじりをする日が多くなっています。

釉薬の掛け合わせ

毎年たくさんマグを作っているので、色見本になるデータをきちんと取っておこうと思いつつも、イベントが終わるとほったらかしになってしまうので、忘れないうちに記録を残しておきます。

教室では20種類ほどの釉薬を用意してくれていますが、一回の作業で何種類も組み合わせると訳がわからなくなるので、最近は3種類までに留めています。

たった3種類の釉薬でも掛ける順番が違えば、出る色も違ってきます。今回使った釉薬は「伊羅保」、「ワラ灰マット」、「織部」です。同じ名前の釉薬でも仕入先によって色味は違ってくるし、粘土が違えば雰囲気も変わります。

粘土は教室で普段使っている「信楽並土」です。素焼きが終わったものが14個ありました。この粘土に「透明」の釉薬を掛けると、やや黄色味がかった白に焼き上がります。「生成り色」っていうのかな。

ベースカラー:伊羅保

「伊羅保」は去年から使っていて、結構気に入っているのですが、薄く掛けるとマット調になり、濃く掛けるとツヤが出ます。全体にサッと潜らせてから、上側と下側に別の釉薬を掛けていきました。

焼き上がりはこんな感じ(↓)になりましたが、渋めの色が出て、個人的にはどれも好きでした。釉薬の濃淡によってムラが出てきて、色んな表情を見せてくれます。

ベースカラー:ワラ灰マット

「ワラ灰マット」は、白っぽく発色しますが、素地の色が出てくるので、まだらな優しい印象になります。最初に全体に潜らせると、内側は白っぽくなるので、飲み物の色が分かるようになります。

焼き上がったのがこちら(↓)ですが、重ね掛けした部分にピンホールが出来たものもありました。

3種類を組み合わせたものにもピンホールが出てしまいました。釉薬が厚くなるとピンホールが出来るのかな?

ベースカラー:織部

「織部」は陶芸では定番のカラーだと思いますが、単色で使っても好まれます。一口に織部と言っても、仕入先や窯元ごとに調合が違うので、深い緑だったり、エメラルドグリーンのような色もあります。こちらの教室で使っているものは「新織部」という名前が付いていますが、あまり深みのない鮮やかな緑です。

焼き上がりはこちら(↓)ですが、「伊羅保」を組み合わせたものは、ほとんど色が出ていません。重ね掛けするときは、サッとしか浸けないので、濃度が薄かったのだと思いますが、順番が違うと結果はここまで違うんだなーと思いました。

こんな風に流れるのも味があっていいなーと思いました。ホント、陶芸って奥が深くて面白いと思います。

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