穴窯に挑戦-穴窯見学編

今日もブロ友の「一路窯」さんに突撃訪問しちゃいました。来月、穴窯焼成をするというので、私の作品も一緒に入れてもらうことにしたので、そのための準備と取材のためです。美瑛に極めて近い旭川なので、ビュ~ンと走って1時間半ほどかかりますが、こんな機会は滅多にありませんから。通いましょう、何度でも。

本当に親切なご主人様と奥様なんです。授業料も払ってないんですけど、色々なことを真剣に教えてくれます。話を聞いてるだけで、とても陶芸が好きなんだな~と感じますね。

今日は最初に作った作品に「黄土」を掛ける作業をしていきます。これまでに「化粧土」を掛けることはしたことがありますが、この「黄土」というのは初めてなんです。どういう作用があるのか、丁寧に説明してくれるんですけど、よくわかっちゃいませんけどね。(^^ゞ 水で薄く溶いた黄土にサッと潜らせます。化粧掛けもそうですが、完全に乾いた方がいいか、半乾きの方がいいか、何度も試行錯誤されたようです。

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最初に作ったものに、黄土を掛けておきました。色々、組み合わせて試してみたいので、さらに化粧土を掛けてみたりして、どんな風に変化するか見てみたいです。化粧土を掛けるときは、1日置いてからの方がいいそうです。穴窯を焚く日までにはもう来られないと思うので、後はご主人にお任せすることにしました。

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先週、挽いておいた器を削ります。2つとも手ロクロで鎬を入れながら削りました。2つとも花器のつもりですが、左側の小さいのは灰皿にいいかもしれません。割れた部分にちょうど煙草がひっかかるような気がします。

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次はご主人がロクロで作る花器の実演をしてくれました。高さが欲しいので、高めに土殺しをして、中心に穴を開けて広げていきます。お茶碗やお皿と作り方が違うので、底は貫通させてしまいます。

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ナイフで縦にカットして、広げていきます。丸めた新聞紙で形が崩れないように支えていきます。底になる部分のロクロ目を消さないように、縁のガタガタしている部分を修正していきます。

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私もやってみました。これまで奥様にやり方を聞いて2回試してみたんですけど、全然うまくいかなかったんです。今回やっといい感じになって、ロクロ目がキレイに出ています。ロクロでこんな形の器ができるとは思ってもみませんでした。一応、花器のつもりなので、縁を持ち上げて高さを出していますが、平らにすれば、秋刀魚皿などにもいいですね~。家庭で使うには重くてごついんですけど、居酒屋さんとかなら、とてもかっこいいと思います。

私のロクロさばきが上手だとご主人に褒められました。ここんとこ随分がんばったもんね。余った粘土は、箸置きにしておきました。

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陶芸の窯には電気窯、ガス窯、灯油窯、薪窯があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。一番安定しているのは電気窯で、陶芸教室やサークルなどではたいていは電気窯を使っていると思います。設定した温度まで自動的に上がり、焼き上がりが安定していて、失敗はほとんどありません。しかし安定している分、平凡な印象があるかもしれません。灯油窯やガス窯になると電気窯とは違った焼き上がりになります。最も古くからあるものが「薪窯」です。薪窯には「穴窯」と「登り窯」がありますが、穴窯が最もシンプルな窯です。

今日は穴窯の見学までさせてもらっちゃいました~。図々しいにも程がありますわ。(^^;; 工房のすぐ近くに穴窯があります。元々は馬小屋だったそうです。窯の奥半分ぐらいまで作品を入れて、手前は薪を入れていきます。意外と数は入らないように見えるんですけど、棚板を使って積み上げていくそうなので、結構入るみたいです。湿った薪を使うと、目標の温度までなかなか上がらないので、薪の管理にはとても気を使うそうです。ちなみに、一度に焚く薪は2tトラック1台分にもなるそうです。こちらではカラマツの廃材を使っているそうです。

穴窯はとてもマニアックな部類に入りますが、好きな人はすごく好きなんです。同じ粘土を使って、同じ窯に入れても、絶対に同じものは作れないんです。

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自分の知らない世界の話をたっぷり聞かせてもらい、今日も有意義な時間を過ごすことができ、とてもいい言葉をたくさんもらいました。「『商品』と『作品』は違う」という話をされていました。私が作っている普段使いの器たちは「作品」と呼べるものではないし、かといって「商品」と呼ぶまで商品化できている訳ではないんだけどね。(^^ゞ

好きなことを貫いているプロの話を聞くのはとても楽しいです。どんどん窯元巡りしたくなっちゃうね。

「好き」を極める。

 

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