灯油窯の窯詰め&火入れ

旭川の「一路窯」さんの灯油窯を借りて、本焼きをするので、素焼きが終わった器たちを引き上げてきました。去年の11月9日にも借りましたが、とてもいい色が出たので、すっかり灯油窯のファンになりました。焼成する作品の量が多くても少なくてもかかる手間と費用は変わらないので、できるだけ窯をいっぱいにしたいところなんですが、大した数は作れなかったので、前回釉薬が溶けきっていなかった分と電気窯で焼成済みの気に入らなかった器たちの焼き直し分も持ってきました。

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釉薬は少し前に仕入れておきましたが、かなり固まっていたので撹拌するために「ポットミル」を借りました。中に丸い玉が沢山入っているんですが、これでゴロゴロとやると釉薬がキレイに混ざります。固まった釉薬を溶くのにはかなりの労力が必要になりますが、こうした便利な道具があると、待っている間に他の作業ができます。ポットミルはオリジナルの釉薬を調合する場合にも使います。

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自分で用意した釉薬は前回と同じ「白鳳マット」と「チタンマット」です。その他「透明」の釉薬も使っていますが、自前のものがなかったので、こちらで借りました。色化粧土を施したマグは、内側だけ白鳳マットを使い、外側は透明を掛けて、飲み物の色が見えるようにしています。この釉薬の目安温度は1,230~1,280度と焼成温度が高いので、共同で使う電気窯(1,225度)では、釉薬が溶けきらないような気がします。

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深さのある小さな器には、チタンマットを掛けておきました。

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どちらも白いマット系の釉薬なので、どっちを掛けたのか分からなくなるので、できるだけ写真を撮るようにしています。

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終わったものから窯入れしていきます。今日は全部自分でやります。棚板を支える柱を「ツク」といいます。作品の高さを揃え、ちょうどいい高さのツクを使うと隙間なく窯入れできます。慣れた人は本当に上手に窯入れしていくんですよ。まるでパズルのように上手に詰めていきます。私はほとんど経験がないので、今回は全部自分でやりました。

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窯の中の温度は、下の方が低いので、低い焼成温度の「チタンマット」を掛けたものを下に入れていきます。作品同士は少し離しておかないと溶けだした釉薬がくっついてしまいます。

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棚板を置いて、二段目を組みます。カップ類はかなりの数が置けますが、お皿の場合はすぐにいっぱいになります。陶器でボタンや画鋲を作る人も多いんですが、こういう隙間に置いていけば無駄なく使えますね。私も小物が作れるといいんだけどな~。

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そして、三段目と続けていきます。2種類の釉薬を掛け合せたものなどを置いていきました。

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四段目。主に焼成温度の高い白鳳マットを掛けたものを置いていきます。

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五段目。すでに深夜です。この後、風鈴の絵付けをしていきましたが、これがかなり苦戦しました。

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風鈴に絵付けをした写真は撮り忘れましたが、焼き直しの作品も含めて、窯はだいたい埋まりました。お皿が多かったので、それなりのスペースを使いました。半分ぐらいしか埋まらないかと思っていたので良かったです。窯詰めが終わったのは、深夜2時になっていました。(^^;)

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そして、翌朝。5時過ぎに火入れとなりました。外は雨で、室温からスタートです。

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上手く焼けるように手を合わせて、窯に火を入れます。

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バーナーが左右にあり、火加減を調整していきます。

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1時間で262度になりました。前回よりもちょっとペースが早いかも。300度までは蓋はしっかり閉めずに中の水分を飛ばし、300度を超えて水蒸気が上がっていなければ、蓋をしっかり閉めていきます。30秒で1度上げるように火力と酸素の量を調整していきます。

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電気窯はスイッチを入れたら自動的に設定温度まで上がっていきますが、灯油窯の場合は、自分で火力と酸素の量を調整して、温度を上げていきます。途中で還元を掛ければ、窯の中が酸欠状態になり、電気窯では出せない違う雰囲気の作品になります。電気窯のように安定していないので、思うような色が出せないこともありますが、自分で焼いている感じがしていいですね。

うまく焼けますように。

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