削りカスの再生

陶芸を始めて何年か経つと、他の人の作品も意識して見るようになると思います。特にプロの作品を見ると、自分が普段出している色とは明らかに違う色合いだったり、装飾が施されています。粘土そのものが違うこともあるし、顔料や化粧土、釉薬などの組み合わせかもしれません。

その違いが分かるようになるまで、3年ぐらいかかりました。自分好みの作品を見つけると、何の粘土を使っているか聞いて、同じものを試すこともあります。粘土はそんなに高いものではないので、個人で買う人も多いと思います。私は焼き上がりが真っ白になる粘土を使いたくて、上信楽や半磁器などの粘土を20kg単位で仕入れることがあります。あったりまえの話ですが、自分で買った粘土の管理は、自分でしなければなりませんよね。共同で窯を使う陶芸教室などでは、粘土の持ち込みが不可になっている所もあるので、あらかじめ相談してからチャレンジするといいと思います。

ロクロを使う場合、大量の削りカスが出ます。私の場合、20kg挽いたら、10kgぐらいは削りカスになると思います。素焼き前の粘土は、再生すれば繰り返し使えます。削り終わった直後の半乾きの粘土ならば、水を混ぜてすぐに再生することもありますが、しっかり乾燥させてから再生する方がダマのない滑らかな粘土に再生できると思います。

夏のイベントに向けて作った作品の削りカスを大量に溜めたままにしていましたが、夏場だと天気のいい日は外に出たくなるので、結局何もしなかったです。かなり埃っぽい作業なので、環境が整っている教室でやるのが一番ですね。

ここでは、私がやっている方法を紹介します。作業時間は約5時間でした。

1.しっかり乾燥させた削りカスを粉々にします。(写真ではあまり細かくしていませんが、できるだけ粉々にしたほうがいいと思います)

2.水をたっぷり入れます。(ひたひたになるぐらいでもいいと思います)

3.1時間ほど置いて全体を混ぜ合わせながら様子をみます。水分が足りないようなら補充し、さらに1時間ほど放置します。乾いた粘土が吸水していくのがわかります。(この間にロクロ挽きなど他の作業をします)

4.ぐちゃぐちゃの粘土を石膏版に移して、さらに放置します。石膏版は余分な水分を吸ってくれるので、とても便利です。(素焼きの大きな器などでもいいです)

5.1時間ほど経ったところで石膏版の上で練り返します。最初のうちはぐちゃぐちゃですが、根気よく捏ねていると徐々にまとまってきます。全体量が多かったので半分ずつ練り返しましたが、10分ほど捏ねているとまとまってきました。今回再生した粘土は全部で10kg以上あったと思いますが、この後、ビニール袋で1~2週間寝かせてから再利用する予定です。

粘土を再生している間は他の作業をするのにちょうどいい待ち時間があるので、大量に挽いておきました。

年内にマグを1つだけ焼き上げたいと思っていますが、乾燥棚がガラガラなので、ひと窯埋まるぐらい作ろうと思っています。地味に窯のスペースを取るスープカップにしようかな。(笑)

友達に頼まれた焼酎カップも挽いておきました。大きさが分からないので、サイズ違いのものをいくつか挽いておきました。赤粘土で焼き締める予定です。

先週挽いたものと合わせると60個ほどになりました。団体さんの体験講座も入っているようなので、そんなに沢山作らなくても窯いっぱいになると思います。

来週からは削りと取っ手付けになりますが、ぼちぼち予定が入っているので、年内のうちに間に合うか微妙なところですが、できる限りやってみたいです。こんな風に自分を追い込むのが好きなんです。(^^ゞ

タイトルとURLをコピーしました