「目止め処理」と「液体セラミック」

陶芸経験のある人や器が好きな人ならば知っていると思いますが、器には「土」を原料とした「陶器(土もの)」と、石を原料とした「磁器(石もの)」があります。趣味で陶芸をやっている人や陶芸教室などで作るものは、ほぼ「陶器」だと思います。私が作っているのも「陶器」です。陶器は土の柔らかさや温かみがありますが、磁器よりも脆く、吸水性があるので、シミ・臭い・カビなどが出てくることがあります。

「陶器」と「磁器」の見分け方にはいくつかあります。器を指ではじいたときに高い金属音のような音がするのは「磁器」ですが、陶器の場合はちょっと鈍い音かな。あとは、器を裏返し、高台の釉薬の掛かっていない部分の色が真っ白なものは「磁器」で、それ以外は「陶器」ですが、私が使っている上信楽土は、磁器に近い白さがあるので、見分けるのが難しいかもしれません。

磁器は薄くて丈夫で扱いやすいので、軽く洗ってそのまま使えますが、陶器の場合は、使い始める時に「目止め処理」というお手入れをしておくとずっと長持ちします。手作り作品ならば、作家さんがあらかじめ処理をしてくれていることもあります。

目止め処理のやり方は簡単で、お米の研ぎ汁を使って弱火で20分ほど煮沸します。研ぎ汁がないときは、お湯を沸かして炊いたお米をスプーン1杯入れてもいいですよ。「シュルシュル~」と音がして、器が水を吸い込んでいるのがわかります。

煮沸が終わったら、取り出し、荒熱が冷めるまで置いておきます。

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荒熱が冷めた後は、普通に洗って、しっかり自然乾燥します。布巾などで拭いても完全に水分は取れないので、私の場合、しばらく放置しておきます。

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いつもならば、「目止め処理」をしたら終わりですが、今日は穴窯作品の水漏れチェックをしていきます。キメの粗い粘土を使っているし、釉薬を掛けていないものは、水漏れする可能性があるので、水を入れて、しばらく置いておきます。陶器は吸水性があるので、1週間や10日経ってからじんわりと水が染み出てくることもあります。

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1~2時間経ったところで確認してみたら、やはり釉薬を掛けていなかった器の水漏れが確認できました。こんな時は、水漏れ防止対策として「液体セラミック」を使う方法があります。今回、初めて仕入れたんですけど、食器用なので、お料理を乗せるお皿などに使っても問題ありません。

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原液のまま刷毛などで塗っていき、自然乾燥します。

深夜になってしまったので、実際にはまだ塗っていませんが、どのぐらいの効果があるか、検証してみたいと思います。

 

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