風鈴を作ろうー仕上げ編

北海道は夏が短く過ごしやすいせいか、あまり風鈴に馴染みがなく、どこの家にも風鈴がある訳ではないんです。冬はキャンドルポットをいっぱい作ったから夏は風鈴をいっぱい作ろうという軽いノリで始めた風鈴作りですが、実際に作ってみると難しくて、全部違う音が鳴るし、響きが悪いものもありました。舌と本体の位置、短冊の大きさやぶら下げる位置で、音の鳴り方も変わってくるので、位置を調整するために何度も結び直すこともありました。

実際に陶芸家が作った手作りの風鈴を買ってみたんです。買う時には音色を確認するために自分で揺らして音を確かめてみましたが、それを実際に飾ってみると風が吹いても全然鳴らない...こんなもんなのかな~?と、ちょっとがっかりするものもありました。使っている粘土、風鈴本体の形、舌の大きさ、短冊の大きさ、取り付ける位置などが大きく関係することが分かりました。

土笛もそうですが、音が鳴るものというのは、奥が深いですね。音が鳴る仕組みを理解しないといけません。私の場合、とにかく色々やってみて、何回もやり直して、やっと組み立て作業にも慣れてきたところです。

今日は仕上げについてですが、私の風鈴はちょっと重いので、風で風鈴がグルグル回った時に紐がねじれて、プツンと切れてしまうのではないかと思って、釣りで使う「より戻し(スイベル)」と引っ掛けやすいように「S字フック」を付けることにしました。この「より戻し」が付いている風鈴はあまり見かけないので、そこまでする必要はないのかもしれませんが、こういうパーツが付いているとちゃんと考えてるんだな~という感じがしますね。何せ重さが心配なので。(^^ゞ

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グルグル回しても全然絡まりません。いい感じです。

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次は「短冊」です。短冊は少し厚手の紙やプラ板などを使ったものが多いと思いますが、私は「木」を使いたかったので、木を薄くスライスした「突き板」を使うことにしました。厚さも色々あるし、木の種類もたくさんあるので、サンプルを取って色々試してみました。厚すぎると風が吹いても短冊が揺れないので、0.3~0.5mm程度のものがいいような気がします。風を受けやすい長さは、3.5cm×18cm程度のようですが、風鈴本体とのバランスもあって、一概には言えないと思います。

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切った短冊にパンチで穴を開けて、補修シールで両面を補強しておきます。今回は透明を使いました。

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そして、言霊たちを乗せた短冊を取り付けていきます。私なりに仕上げた「言霊風鈴」の出来上がりです。

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実際にぶら下げてみました。舌と短冊の間に小さな玉を付けているんですが、これがあるとないとでは音の鳴り方が違ってきます。小さくて軽い玉ですが、これが錘になって短冊が揺れにくくなるんですね。紐が絡まりにくくなるし、デザインを考えると玉があった方がいいと思いますが、できるだけ音を鳴らしたい場合は、なしの方がいいのかもしれません。う~ん、難しい。

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短冊の裏はさりげなく「フラクマ」のキャラクターがついています。

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きっと次のロットではもっといいものが出来ると思いますが、もう風鈴の時期は終わっているかもしれません。来年からは初夏の課題にしたいと思いました。本体については、まるで納得できないんですが、今回作ったものは「ふらのクリエイターズマーケット」に持っていって展示します。大雪山のように広い心の里親さんが見つかるといいな~。(^▽^;)

本番まで、あと4日になりました。まだまだ準備が続きます。

第21回 新十津川陶芸まつり

記事の更新が遅くなっていますが、新十津川陶芸まつりへ行ってきました。毎年6月の土日に2日間開催されていますが、毎年天気には恵まれず、土日のどちらかは土砂降りのことも多いんですけど、今年は両日とも晴天に恵まれて大勢の人が訪れていました。私が行ったのは2日目の6月21日(日)でしたが、制作に追われているので、長時間滞在できませんでしたが、作家さんの作品を手に取り、話を聞かせてもらいました。金欠で何も買えなかったので、せめて写真だけはアップしておきますね。

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最初に師匠のお店に顔を出します。差し入れを持っていったら、ソーセージをご馳走してくれました。

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私が2年ほど前によく使っていた白と呉須の流れるビアマグとソックリなものがありました。先生にパクられるのは嬉しいものです。しかも、仕上がりはずいぶん違っていて、やはりプロが作ったものは違うな~と思いました。

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2年前にお話をした白龍窯憩庵さんが来ていて私のことを覚えてくれていました。灯油窯焼成のアドバイスをしてくれて、為になる話がたくさん聞けました。

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マスキングを使った作品。これ、すごく大変なんですよ。

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バイクまでありました。

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工房和香奈さんは、ふらのクリエイターズマーケットにも出展されていました。鎬の器が素敵でした。私も鎬ブームなので、こんな器を作ってみたいです。

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ウサギのモチーフが可愛い陶房天濫さん。

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旭川の登稔窯はお気に入りの窯元です。絵と書が素敵なんですが、制作はお父ちゃん、販売はお母ちゃんがやってます。

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リーズナブルなお値段だな~と思っていたら、市販のタイルに絵付けだけをしたものだそうです。こんなタイル貼ってたら素敵ですね。

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陶芸家によるロクロ実演。写真だけ撮らせてもらいました。プロの技を見ているとウットリします。

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風鈴を作ろう-組立編

風鈴作りは今回が初めてですが、本体と舌が焼き上がったので、いよいよ組み立てになります。練習用として釣り糸を使って自分なりにやってみましたが、結び方が分からず1つ作るのに30分以上もかかりました。(^^; 一般的な風鈴よりも重量感がありますが、予想以上にいい音が鳴るんですよ。普段使っている信楽などの粘土ではなく、半磁器土を使ったのは正解だったと思います。短冊部分はまだ届いていませんが、木材を薄くスライスした「突き板」を使う予定です。

この調子だと全部作るのに2日ぐらいかかりそうなので、どうやって結べばいいかヒントをもらうために、五郎さんちに一式持ち込みました。下の写真はものすご~く苦労して結んだ2つの風鈴です。左の風鈴はとてもいい音が鳴るんですよ。

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さぁ、五郎の風鈴教室の始まりです。舌はリング状に成形したものを「焼き締め」ました。本体については、素焼き→本焼き→色付け→本焼きと2度本焼きしたものもあります。

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本番用の紐は、携帯ストラップなどで使うものを用意しました。手芸店で購入しましたが、色が沢山あって迷いました。今回作る風鈴は20個ほどなので、赤と黒の2種類用意しておきました。釣り糸よりもこちらの方がずっと結びやすかったです。

紐の結び方は覚えてしまえば簡単でした。最初に30cmほどに切ったものを半分にして、舌に通して、1~2cm上に結び目を作ります。これが本体の天上にぶつかる長さなので、この調整が難しいと思います。

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本体の2箇所の穴から、それぞれ紐を通して、この上でさらに1回結びます。写真では「玉」を付けていますが、これはデザインとしての要素が強い感じがします。片方の紐を玉に通して1回結び、先端を結びます。結び方の呼び名を何て呼んでいいのか分かりませんが、教えてもらったやり方で、どんどん結べるようになりました。さらに、この紐の上に釣りで使う「より戻し」を付けると風鈴がグルグル回っていったときに紐が切れるのを防ぐことができるようです。

ちなみに本体に開けた2箇所の穴の間隔は近い方がいいと思いました。この間隔が広いと、本体の天上側の結び目が片側に寄って、舌が中心に留まらず、音の出も悪いような気がします。

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舌の反対側は、短冊と結びます。この紐の長さも音の鳴りに影響するようです。舌と短冊の間にも玉を付けたらデザインとしてはいいかもしれません。

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ぶら下げるとこんな感じになりました。それぞれに個性があって、一つ一つ音が違うのが面白いです。短冊部分が届いたら完成です。重いので画鋲では付けられないでしょう。(^^;

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慣れてきたら案外早いです。1個5分ぐらいで結べるようになりました。

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派手な舌があってもいいなと思って、赤を塗ってみました。こんな風に干しておき、完全に乾いてから反対側を塗るとキレイに塗れます。

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玉の色と紐の色が違うだけでも雰囲気が変わりますね。もっと本体を軽くして、気の利いたイラストでも描ければいいと思うんですけど、今回はこれしかありません。キレイな音が出る形や大きさは何となく分かったので、次に作る時はもう少しうまく出来るかもしれません。

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私が作った舌の数が本体よりも少なかったんですけど、五郎さんが木で舌を作ってくれました。かなり硬い木のようですが、これでもいい音が鳴るのには驚きました。

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まだ完成ではありませんが、これから私らしいアレンジを加えて仕上げていきたいと思います。

ドキドキワクワクの窯出し

本焼き後の窯出しというと、最短でも2日後なのかな~と思っていたんですけど、予想よりも早く窯の温度が下がってきたので、焼成翌日の窯出しとなりました。朝10時に460度ぐらいまで下がっていたようなので、夜に窯出しすることにしました。

予想通りの色が出たもの、予想以上だったもの、玉砕したもの・・・と色々ありましたが、窯詰め・焼成・窯出しまでの一連の流れを行い、とてもいい経験ができました。

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窯の温度は50度ほどまで下がっていたので、皮手をしなくてもいいぐらいになっていました。窯の温度は上の方が高く、下の方が低いので、同じ粘土・同じ釉薬でも色合いが違ってきます。

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先ずは一段目です。去年、灯油窯の下段に置いて釉薬が溶けきらなかったキャンドルポットたち、電気窯で焼いたイマイチだったお皿、そして奥の方に新作のビアマグを入れてあります。

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全部、テーブルに出して並べて写真を撮ります。キャンドルポットは去年のままでも良かったのかな~というのもありました。粘土の色が全面に出てきて、かなり濃い感じになりました。

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ビアマグがいい感じの色になっていました。釉薬は「白鳳マット」と「チタンマット」の2種類だけですが、窯内の位置が違うだけで、印象が違っていたので、きちんと記録しておきます。

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棚板を外して、二段目の写真を撮ります。こうやって自分で窯出しするのも初めてなんです。これまでは窯出し済みの器たちを引き上げるだけだったので、これまた新鮮です。二段目には高温で焼成したい風鈴と焼き直しのカップなどです。

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風鈴はいい音が鳴ります。本焼き済みのものにさらに呉須で絵付けをして焼いてみました。フラクマのキャラクターを描こうと思ったんですけど、全然描けませんでした。(笑)

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熱線でスポンジを溶かしたものがあったので、ペタペタとやってみましたが、これがいい感じになりました。すでに本焼きが済んでいるものには釉薬を掛けていませんが、素焼きのみのものには透明の釉薬を掛けておきました。

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フラクマに見えない・・・(笑)

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そして、三段目。優しいアイボリーを目指したエリアです。

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素焼きで、ひびが入ったカップやソーサーも色見本を兼ねて入れています。チタンマットを掛けたものは、窯変がかかって薄紫色になりました。

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このエリアは、イメージ通りの優しいアイボリーになりましたが、温度に耐えられなかったのか、ひびが入ったり、歪みが出たソーサーもあり、半分ぐらいはボツになりそうです。予想通りの仕上がりになりましたが、焼成温度については今後の課題となりそうです。スープカップも可愛いですが、かなり小さくなった感じがします。電気窯でこの雰囲気が出せるといいんだけど。

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四段目は、残念なエリアです。3点に足をつけた小皿が歪みました。一般的な丸い高台ならば問題なかったのかもしれませんが、鉄分の多い赤粘土は、高温に耐えられなかったのかもしれません。

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もっと白くなると思っていましたが、ねらし時間を長くしたので、粘土本来の色が表に出てきたのでしょう。全体的に「こげ茶」という感じです。

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五段目は色んな粘土、色んな釉薬が混ざったものです。

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このビアマグもいい感じでした。一段目に置いたものと同じ粘土と釉薬を使っていますが、色の出方がずいぶん違っています。

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六段目は、残念なエリアです。「き、きたない・・・」と思わず呟いてしまいました。

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釉薬の掛け方でこんなにも変わるとは思ってもみませんでした。チタンマットの方が流れやすいので、先に白鳳マットを掛けて、チタンマットを掛けた方が釉薬が流れて面白くなったかもしれません。

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そして、最後の七段目です。こちらは赤粘土&チタンマットのエリアです。温度の低い下段だったので、お皿の歪みは少なかったです。

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電気窯で焼いた時とは全く違った雰囲気になりました。金色に輝いています。う~ん、どうかな。

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これから高台や底についた釉薬を処理して、水漏れテストして、煮沸します。

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窯出し終了。ご主人と奥様には今回もとてもお世話になりました。この貴重な経験を今後に繋げていきたいと思います。

ちょうど旭川の「千尋窯」さんが見えていて、色んなお話を聞くことができました。今度、ギャラリー見学に行きたいと思います。窯出ししたてのビアマグにノンアルコールビールを注いでみました。プロの方々に囲まれ「窯出し、おめでとうございます」と乾杯をしたときには、ちょっと照れました。きめ細かい泡が立ち、釉薬の流れが泡の流れに似た雰囲気があり、いい感じでした。マグの重さが気になるかなと思っていましたが、そうでもなかったです。

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これが窯出し。いつになっても、何度やっても、ドキドキワクワク。

とてもいい夜でした。

酸化・還元・中性炎

趣味で陶芸を始める人は多いと思います。私もデジタル生活に疲れていた体にスーッと粘土が入り込んでいき、今年で9年目に入ったと思います。最初の2年目ぐらいはやること全てが新鮮で、楽しくて仕方なかった時期がありますが、その後、ロクロを始めてからは「ロクロを挽く」という行為がとても好きになりました。自分のスタイルが出せるようになるとプロ転向する人もいますが、私はそんな予定もなく、夏山と冬山の境目に粘土いじりをするというかなり緩いスタイルでやっています。こんなスタイルでも来年には10周年になるんですね。進歩はしていなくても、10年続けるってなかなかできないと思うので、お祝いパーティでもやろうかな~と思いました。

使いやすくブレンドされた粘土と釉薬、そして、便利な道具と窯。お膳立てされた環境の中でも迷走を続けていますが、これまで身に付けた知識や技術は他の分野で生きてくることもあり、陶芸を続けていて良かったな~と思うことも多いです。モノ作りの素晴らしさや苦労がよくわかるようになりました。

「粘土」と「釉薬」と「窯」を変えると、まるで違った風合いの作品になります。今は粘土の塊が形を変え、高温で燃焼して器として焼き上がっていく「燃焼の仕組み」について、興味を持つようになりました。

中学校ぐらいの授業で「酸化」や「還元」というのを習ったと思いますが、国語も数学も苦手な私は、理科も苦手だったし、そもそも興味もなかったので、そんなこと知らずにノウノウと生きてきたんです。

焼き物の世界はとても奥が深く、同じ粘土と同じ釉薬を使っても、燃焼方法の違いによって、まるで雰囲気の違う作品が出来上がります。この辺りに興味を持ち出すと無限ループにはまりますが、これがとても面白いのです。タイミングを見計らって還元をかけたり、酸化に戻したり、窯と駆け引きをする人もいるようです。

今回、2回目になりますが、旭川の「一路窯」さんの灯油窯を貸し切って本焼きをしています。前回は初めてだったので、ほとんどやってもらいましたが、今度は窯詰め~窯焚き~窯出しまで自分でやることにしました。とはいっても、かなりの部分はサポートしてもらってますけどね。

火力と酸素の量を調整しながら、300度まではゆっくり温度を上げていきます。

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通常は「酸化」の状態で焚きますが、950度を越えたら、酸素の量を減らして「還元」にしていきます。火入れから6時間ほど経過したところです。

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灯油窯は上と下の温度に差があるので、この差がなくなるように、窯の後ろの扉を開けて窯圧をかけていきます。たしか、そんなことを説明してくれたと思います。

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「酸化焼成」のときは、覗き穴から炎は出てきません。

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酸素の量を減らして窯の中を酸欠状態にすると、炎が出てきて、黒いススが上がっていきます。これが「還元焼成」です。

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酸素の量を調整して、青白い炎になるようにしたのが、酸化と還元の中間にあたる「中性炎」です。今回はこの「中性炎」でキープするようにしました。

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ご主人も奥さんもほとんど寝ていなかったので、途中、交代で仮眠を取っていきました。目標温度の「1,250度」に達したのは、15時15分で、ちょうど火入れから10時間経ったところでした。私は仮眠中でした。(^^ゞ

それから、1,230度前後で4時間ねらしました。このねらし時間が長いと粘土の色が表面に出てくるそうです。

19時に窯の中のススなどを払うために「酸化焼成」に戻しました。

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19時15分にスイッチを切り、終了しました。ちょうど14時間の窯焚きとなりました。

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後ろの蓋を閉めておきます。

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温度が急激に下がらないように煙突を塞いでおきます。

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覗き穴から中の様子が見えますが、まだ赤々としていて、どうなっているかはわかりません。

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今回の焼成記録です。定期的に調べているわけではないので、グラフの間隔が一定じゃないんですが。(^^ゞ

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窯出しは3日後の予定でしたが、予定よりも早く窯の温度が下がってきたので、翌日に窯出し終了しました。予想通りのもあったし、予想以上のもあったし、玉砕したものもありましたが、今回の窯焚きはとてもいい経験になりました。

陶芸教室やサークルでは、完全にお任せしていたので、何度で焼いているのかなんて、気にしたことはなかったんです。自分で温度をコントロールしていくのって、とても面白いです。9年目にして陶芸の基本がやっとわかってきたみたいです。おそっ。

穴窯見学&ピザ窯の作り方

灯油窯焼成では、旭川の「一路窯」さんの窯を借りています。こまめに温度をチェックして、火力や酸素量を調整する必要があるので、電気窯のようにオートというわけにはいきません。基本的にその場を長時間離れるわけにはいきませんが、焼成の合間にご主人が穴窯を見せてくれたので、このエリアの紹介をしていきます。

一路窯さんのギャラリーです。不在のときには鍵が掛かっているので、ギャラリー見学は事前に連絡をした方がいいと思います。

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少し離れたところに穴窯があります。数日後に穴窯焼成するそうなので、窯詰めなどで今はとても忙しい時期なんですが、私の予定も入れてくれたので、ご主人も奥さんも大忙しです。窯出しの時にお茶会をされるそうで立派な庭もできていました。池もあって金魚も泳いでいるんですよ。

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私もこちらの穴窯で何度か焼いてもらったことがありますが、穴窯は大量の薪を使って焼く、原始的な方法です。好みが分かれるところですが、完全な一点モノになります。

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窯詰めの最中です。この中に入って、隙間なく詰めていきます。

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外には大量の薪が用意されています。

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穴窯の他に簡易ピザ窯もあるんですが、ご主人に作り方を伝授してもらいました。レンガとブロックを積み重ねた簡単なものですが、使わない時期には片づけられます。作り方を教えてもらうためにまずは撤去します。

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ブロック6個の上にレンガを敷き詰めます。

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棚板の大きさを確認します。この棚板は陶芸で使っているもので、熱が伝わりやすくなっています。

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レンガを積んでいきます。棚板の左右に空間があると熱を通しやすくなります。焚口になる正面の部分は開けておきます。

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レンガを立てて配置して、薪や炭を燃やすスペースを作ります。

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さらにレンガを積んでいきます。レンガの長さが交互になるように積んだ方がいいそうです。半分のサイズや4分の1のサイズのレンガもあるとピッタリはまります。レンガをカットするときは、ダイヤモンドカッターを使います。

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棚板の上で直接焼くと、熱が伝わりすぎて焦げてしまうので、レンガを置きます。ここでピザを焼きますが、ピザ用のパンや焼き網を使わなくても、アルミホイルを敷けば大丈夫みたいです。

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蓋は農業用で使われる暗渠(あんきょっていうのかな?)を半分にカットしています。左右の空洞はレンガで塞いでおきます。

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ピザを焼くときは正面の焚口もレンガで塞ぎます。ピザを焼くときは400度ぐらいで焼くといいそうです。温度計はamazonで1,400円ほどで買えます。

ちょうど、レンガが余っていたので「五郎さんち」でピザ窯を作りたいねと話をしていたところでした。棚板と暗渠を安く分けてもらったので、イベントが終わったらすぐに取り掛かれそうです。トマトとバジル植えて、ピザ生地の作り方覚えなきゃ~。

一路窯は極めて美瑛よりの旭川にあります。「ウッディ王国」という敷地内にあり、この王国にはログハウスが沢山あるんですよ。

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この高床式のログハウス欲しいな~。400万円ぐらいするそうです。器たちの売上金では買えないな。(笑)

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素焼き後のひび割れ

素焼きが終わった器の中ひび割れしていたものがありました。先週削ったばかりのカップ(5点)とソーサー(6点)のうち、3点もダメでした。これまでにも何度かありましたが、ここまで歩留まりが悪かったのは初めてだと思います。

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原因はいくつか考えられますが、底の厚さがひびの入らなかったものと比べると、少し厚かったように思います。さらに、削り→素焼きまでの日数が短くて、乾燥がしっかり進まないうちに焼いてしまったこと、削りのときに粘土が締まっていなかったことなどが思い当ります。

素焼き前ならば壊して粘土に戻したり、補修も可能ですが、素焼きしてしまったものは、もう再生はできません。

このまま焼いてもひびは広がってしまうと思いますが、どちらにしても不燃物なので、色見本を兼ねて下絵具でラインを入れて焼いてみることにしました。

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粘土は生きてます。大事にしないとね。

灯油窯の窯詰め&火入れ

旭川の「一路窯」さんの灯油窯を借りて、本焼きをするので、素焼きが終わった器たちを引き上げてきました。去年の11月9日にも借りましたが、とてもいい色が出たので、すっかり灯油窯のファンになりました。焼成する作品の量が多くても少なくてもかかる手間と費用は変わらないので、できるだけ窯をいっぱいにしたいところなんですが、大した数は作れなかったので、前回釉薬が溶けきっていなかった分と電気窯で焼成済みの気に入らなかった器たちの焼き直し分も持ってきました。

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釉薬は少し前に仕入れておきましたが、かなり固まっていたので撹拌するために「ポットミル」を借りました。中に丸い玉が沢山入っているんですが、これでゴロゴロとやると釉薬がキレイに混ざります。固まった釉薬を溶くのにはかなりの労力が必要になりますが、こうした便利な道具があると、待っている間に他の作業ができます。ポットミルはオリジナルの釉薬を調合する場合にも使います。

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自分で用意した釉薬は前回と同じ「白鳳マット」と「チタンマット」です。その他「透明」の釉薬も使っていますが、自前のものがなかったので、こちらで借りました。色化粧土を施したマグは、内側だけ白鳳マットを使い、外側は透明を掛けて、飲み物の色が見えるようにしています。この釉薬の目安温度は1,230~1,280度と焼成温度が高いので、共同で使う電気窯(1,225度)では、釉薬が溶けきらないような気がします。

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深さのある小さな器には、チタンマットを掛けておきました。

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どちらも白いマット系の釉薬なので、どっちを掛けたのか分からなくなるので、できるだけ写真を撮るようにしています。

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終わったものから窯入れしていきます。今日は全部自分でやります。棚板を支える柱を「ツク」といいます。作品の高さを揃え、ちょうどいい高さのツクを使うと隙間なく窯入れできます。慣れた人は本当に上手に窯入れしていくんですよ。まるでパズルのように上手に詰めていきます。私はほとんど経験がないので、今回は全部自分でやりました。

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窯の中の温度は、下の方が低いので、低い焼成温度の「チタンマット」を掛けたものを下に入れていきます。作品同士は少し離しておかないと溶けだした釉薬がくっついてしまいます。

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棚板を置いて、二段目を組みます。カップ類はかなりの数が置けますが、お皿の場合はすぐにいっぱいになります。陶器でボタンや画鋲を作る人も多いんですが、こういう隙間に置いていけば無駄なく使えますね。私も小物が作れるといいんだけどな~。

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そして、三段目と続けていきます。2種類の釉薬を掛け合せたものなどを置いていきました。

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四段目。主に焼成温度の高い白鳳マットを掛けたものを置いていきます。

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五段目。すでに深夜です。この後、風鈴の絵付けをしていきましたが、これがかなり苦戦しました。

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風鈴に絵付けをした写真は撮り忘れましたが、焼き直しの作品も含めて、窯はだいたい埋まりました。お皿が多かったので、それなりのスペースを使いました。半分ぐらいしか埋まらないかと思っていたので良かったです。窯詰めが終わったのは、深夜2時になっていました。(^^;)

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そして、翌朝。5時過ぎに火入れとなりました。外は雨で、室温からスタートです。

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上手く焼けるように手を合わせて、窯に火を入れます。

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バーナーが左右にあり、火加減を調整していきます。

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1時間で262度になりました。前回よりもちょっとペースが早いかも。300度までは蓋はしっかり閉めずに中の水分を飛ばし、300度を超えて水蒸気が上がっていなければ、蓋をしっかり閉めていきます。30秒で1度上げるように火力と酸素の量を調整していきます。

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電気窯はスイッチを入れたら自動的に設定温度まで上がっていきますが、灯油窯の場合は、自分で火力と酸素の量を調整して、温度を上げていきます。途中で還元を掛ければ、窯の中が酸欠状態になり、電気窯では出せない違う雰囲気の作品になります。電気窯のように安定していないので、思うような色が出せないこともありますが、自分で焼いている感じがしていいですね。

うまく焼けますように。

優しいマットを目指して

「ふらのクリエイターズマーケット」に持って行く予定の作品の制作が終わりました。「一点もの」と言うと聞こえがいいかもしれませんが、たくさん作ることが出来なかったので、結果的に1個ずつになっただけなんですけどね。

白系の粘土は「上信楽土」を使っています。何年か前に仕入れた粘土だったので使いやすい軟らかさにするまで手間がかかりました。週末までに素焼きが上がった作品については、灯油窯で焼成する予定ですが、優しいマットになるようにシンプルに仕上げていきたいと思っています。まずは素焼きが予定通り終わることを祈りましょう。

しばらくロクロを挽いていなかったので、腕がすっかり落ちていますが、最近のお気に入りの形は安定感のある末広がりです。鎬(しのぎ)を入れたものもありますが、デザイン性と軽量化を兼ね備えています。鎬を入れると色の出方に変化があるので、思ったよりもいい雰囲気になることがあります。

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ソーサーもずっしり重く感じるものがあったので、鎬を入れました。

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あとは、間に合うかどうか微妙なところでしたが、大きめスープカップの削りと取っ手付けが終わりました。取っ手の形を整えるときは、こんな風に下に向けておき、少し乾いたところで、最終調整します。

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サイズとスタッキングの確認をするために重ねてみたところ、取っ手がボキッと折れたものもあります。このまま乾燥棚に乗せてしまいますが、取っ手を付けた後は、発泡スチロールでゆっくりと乾燥させた方がいいんですけどね。時間がないので、このままいってみます。このスープカップは自分用としても使っているんですが、とても使いやすかったので、もっとたくさん作ろうと思っていましたが、思惑通りにはいかないものです。

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赤粘土には、色化粧を施して掻き落としました。毎年、テーマを決めて制作をするようにしているんですが、これから来年にかけてのテーマは「粉引き」にします。これまでに何度かチャレンジしましたが、思うような結果が出せていないので、結果が出るまでは同じ技法を追及していきたいと思います。

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こちらのお皿は五郎さんに作ってもらった「トレジャーボックス」にセットしようと思っているお皿です。前日にタタラで型抜きをしておき、持ち帰って縁を持ち上げ、色化粧土を塗ったりしてちょっとした装飾を施しました。17枚ありますが、これだけ処理するだけでも何時間もかかりました。

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タタラのお皿には高台を付けないことも多いのですが、3点の脚をポチッと付けておきました。この方がお皿全体に釉薬が掛けられるようになります。

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来週末には、灯油窯で焼成予定です。使う釉薬は「白鳳マット」と「チタンマット」の2種類に限定しようと思っています。

虫除けキャンドル

「ふらのクリエイターズマーケット」には、去年から今年の初めにかけて作ったキャンドルポットを持って行きますが、これまでキャンドルポットお買い上げのサービス品として、色や香りを付けた「キャンドル」を付けていました。

キャンドル関係のものは、冬の方が需要があるんですが、この時期でも使ってもらえるように「虫除けキャンドル」を作ってみようと、エッセンシャルオイルを準備しました。

虫除け効果の高いものを4種類(ユーカリレモン、ペパーミント、シトロネラ、レモングラス)と、私の好きなもの1種類(グレープフルーツピンク)です。虫によっては全く効果のない香りもあるので、やってみないと分からないんですけど、これまでの経験、行動範囲、居住環境を生かせば、いい虫除けキャンドルが作れるんじゃないかと思っています。虫除けスプレーはいつもお手製のハッカスプレーを使っていますが、このエッセンシャルオイルを使うこともできます。

毎年、山や野営地で虫に刺されますが、ひどい時にはリンパまで腫れ上がり、病院のお世話になったこともあったので、体を張ったテストもしていこうかなと。(笑)

2015060503

「ふらのクリエイターズマーケット」まで、あと20日ほどしかありませんが、私らしい面白いものを持っていけるようにがんばります。

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