師弟棒挽き対決[動画]

11月24日の個展開催に向けて、週末は粘土いじりに専念しています。

目標個数をあらかじめ決めてあり、小人の家は60棟が目標でしたが、順調に焼き上がると80棟ほどになると思います。

マグは100個を目標にしていました。マグはこれまでに一番多く作っているので、100個ぐらいなら楽に準備できると思っていましたが、ざっくりと数を数えてみたところ、80個ほどしかないのですよ。今年の掻き落としのシリーズは、高台を削った後の化粧掛けや掻き落としなどの装飾に手間がかかるので、思うように進んでいなかったです。

個展までに間に合うかどうかわかりませんが、先生の手を借りてラストスパートをかけました。撮影はスマホで行っていますが、通常のムービーで撮影するとファイルサイズが膨大になってディスク容量を圧迫するので、タイムラプス撮影しています。3.8kgの粘土を使って、腰がやや細くなった末広がりのマグを挽いていきます。

師弟対決は以前にも何度か行っていますが、あれから5年も経っていました。5年前と比べると私の腕も少しは上がったように思いますが、大きさを揃えて挽くのはとても苦手ですね。先生のは形が揃っていて綺麗です。

<動画は約1分ほどです。音が鳴るので、音量に注意してください。>

タイムラプスで撮影すると経過時間が分からなくなりますが、1個あたり1分程度で挽いていると思います。10kgぐらいあれば、もう少し見応えがあったかもしれません。

今度は10kgで。( ̄ー☆キラリーン

プロモーションムービー

個展という名の「一人文化祭」に向けて、プロモーション活動を始めました。陶芸に関しては佳境を迎えていて、これから新しいものを作っても本番には間に合わないと思うので、絵付けや掻き落としなど中途半端になっているものを仕上げて、できるだけ沢山焼き上げたいと思います。

これまでのイベントに来てくれている方やお友達には、DMを送りました。毎度の事ながら、隙間のないレイアウトですが、ハガキの中に当日行う内容を凝縮しています。

facebookやinstagramではすでに公開済みですが、プロモーションムービーができました。最近トイドローンを導入したので、空撮にも挑戦しています。ドローン本体はとても軽く、10mの高さまでしか飛ばせませんが、編集するとそれなりの雰囲気に仕上がりました。

<再生すると音が鳴ります。音量に注意して下さい。>

開催日時と会場について

2018年11月24日(土)1日限りのイベントです。午前中に搬入と設営をして、13時に開場し、19時まで入場できます。

会場は滝川駅近くの太郎吉蔵です。とても素敵な場所で、様々な展示会やライブなども行われているので、音響設備も整っています。

入場料がかかります

入場料がかかる有料イベントです。お一人様1,000円(小学生以下500円)を頂きます。

頂いた入場料については、北海道胆振東部地震で甚大な被害を受けた被災地(厚真町)へ全額寄付することにしました。

差し入れやお祝いなどは辞退します。その気持ちを寄付に回していただければと思います。

スライドトークについて

このイベントの中では、スライドショーを流しながら、海外のトレッキングに関するお話をします。今年歩いてきたニュージーランドと去年登ったアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロについて、ブログには書けない裏話もあるので、私の目線からのお話をしたいと思います。

全部で3回行いますが、昼の部と夜の部の内容は同じです。

昼の部 13:30〜14:30[2018]ニュージーランド

夕の部 15:30〜16:30[2017]キリマンジャロ

夜の部 17:30〜18:30[2018]ニュージーランド

小人の家抽選会について

有名な映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット3部作」はニュージーランドがロケ地になっています。ロケ地見学はしていませんが、映画の中でホビット族が住んでいた「ホビット庄」からインスピレーションを得て、小人の家を作り始めました。庭の中に置いたら小さなホビット庄ができるかなと思いましたが、実際にはそう簡単ではなかったです。

窓をがんばったのもあります。

このまま問題なく焼き上がれば、全部で80棟ほどの小人の家が出来上がります。手のひらサイズの小ぶりなものがほとんどなので、あの広いスペースでは少ないと思いますが、自宅に持ち帰るには多すぎます。

希望の方にはイベント終了後の19時から抽選会(1,000円)を行います。色や大きさなど好みがあると思うので、大まかなグループに分けて、くじ引きで好きなものを持ち帰ってもらいたいと思います。

ハズレはなしですが、お一人様一点のみです。原価割れで提供するものもありますので、ご理解ください。

マグ&カフェの予約について

手作りのマグを使ったカフェサービス(¥1,000)を行います。カフェで提供するおやつは、仁木町に新規オープンしたパン屋さんが当日運んでくれます。使用したマグはそのままお持ち帰りいただけますが、数量に限りがあるため無くなった場合は紙コップの利用になることをご了承ください。

マグの名入れサービスの受付は終了しました。

山と言霊 ~ホビットの世界~

11月24日(土)に個展を行うことにしたので、週末は制作に集中しています。個展というとすごく大袈裟に聞こえますが、私が趣味でやっていることを色々発表する「一人文化祭」という感じです。実際にはお手伝いしてくれる人が沢山いるので、大勢が関わってくれています。

私は陶芸家でもなく、登山家でもなく、写真家でもありません。どれも中途半端で半人前ですが、その年の出来事をまとめておきたいと思うようになりました。自分では「ハタオリモード」と呼んでいますが、こうした機会を作ることでモチベーションも上がるし、普段は出せないパワーとアイディアが出てきます。

過去にも同じようなイベントをしたことがありました。2014年の同じ時期に美唄のアルテピアッツァのギャラリーを借りて「灯の杜」というタイトルで、10日間ほどの期間でイルミネーションを使ったキャンドルポットの展示を行いました。アルテピアッツァは年間を通じて様々なジャンルの作品が展示されているので、偶然訪問してくれた人も多く、期間中は大勢の来場者がありました。

昨年は砂川で「キリマンジャロ報告会」を行いました。手作りのマグでコーヒーを飲みながら、スライドショーを流し、準備~出発~登頂~サファリ~帰国までの報告を行いました。

今年はその両方を合わせたような内容になります。両方とも来てくれた方はイメージできると思います。

  • イルミネーションを使った小人の家の展示
  • スライドトーク(ニュージーランド・キリマンジャロ)
  • マグ&カフェ(手作りマグのプレゼントと軽食サービス)
  • チャリティ(入場料を北海道胆振東部地震の被災地へ寄付)
  • 展示作品の抽選会
  • 有料(入場料1,000円、マグ&カフェ:1,000円、抽選会:1,000円)

当初の予定にはなかったのですが、入場料は北海道胆振東部地震の被災地(厚真町)へ全額寄付することにしました。微力ですが大好きな北海道のためになればと思いました。お友達をお誘い合わせの上、ご来場いただけるとありがたいです。

遅くなりましたが、正式なフライヤーができました。週明けには関係各所に発送できると思います。

マグ&カフェの予約について

手作りのマグを使ったカフェサービス(¥1,000)を行います。カフェで提供するおやつは、仁木町に新規オープンしたパン屋さんが当日運んでくれます。使用したマグはそのままお持ち帰りいただけますが、数量に限りがあるため無くなった場合は紙コップの利用になることをご了承ください。

マグの名入れサービスの受付は終了しました。

赤い屋根の家

6月の「あかびらツクリテフェスタ」が終わり、7月から9月までは山三昧でしたが、旭岳の初冠雪の便りと共に身も心も麓に下りてきました。今年の目標にしていたルートはいくつかありましたが、天気と休みが合わず、来年に持ち越しになったところもあります。

今年は敷居の高かった東大雪エリアへ入ることができ、お天気にも恵まれ、記憶に残る素晴らしい山行ができました。

急登や藪漕ぎの連続で、簡単なことは何一つなかったけど、素晴らしい経験ができたので、絶対に本にしたいと思います。

山に入ると陶芸は疎かになってしまうので、自宅に持ち帰って作業しようと思っていたものもほったらかしにして、完全に乾燥してしまいボツにしたものがほとんどでした。平日に作業できる時間があっても、気持ちが入らないときは何をやっても中途半端になるので、山と陶芸を並行してやっていくのはとても難しいです。

詳しい告知はもう少し先になりますが、11月24日(土)太郎吉蔵(滝川駅前)で一日限りのイベントをやります。

ゴールデンウィークにニュージーランドの「ミルフォード・トラック」を歩いてきたので、そこで撮った写真やビデオを紹介する報告会が主な目的ですが、今年制作した「小人の家」は、ニュージーランドからインスピレーションを得たものなので、イルミネーションを使った小人の家の展示もします。

会場の太郎吉蔵は石造りのとても素敵な場所で、アート作品の展示や演奏会が度々行われています。いつかここに作品を飾りたいと思っていて、事務局に相談したところ、利用許可が下りました。

今回歩いたミルフォード・トラックは「世界一美しい散歩道」と言われていて、世界中のハイカーの憧れのトレッキングコースです。ニュージーランドのトレッキング文化は古く、人々の暮らしに根付いていますが、中でもミルフォード・トラックは、数あるトレッキングコースの中でも別格と言えるでしょう。ガイドの付かない個人ウォークは、一日40人限定の完全予約制になります。四季が逆のニュージーランドのハイシーズンは、12月~1月頃になりますが、この時期は予約開始と同時に埋まってしまうほど人気が高いです。

私もこの厳しい予約争奪戦を潜り抜け、見事チケットを手に入れました。出発前からの話を含めて、コーヒー飲みながらざっくばらんな話をしたいと思います。会場はかなり広いので、大きな作品を展示すると見応えもあると思いますが、ミニマムでコンパクトなものにしようと思っています。

展示用の小人の家を量産している最中ですが、真っ赤な屋根の家を作りたくて、新しい釉薬を試してみました。相変わらず雑な感じは否めませんが、イメージ通りの色が出ました。

ロクロを2台使って、フル回転で取り組んでいます。目標を決めて取り組むとモチベーションも上がり、集中力も高まります。

<再生すると音が鳴ります。音量に注意して下さい。>

準備期間は2ヶ月を切りましたが、私らしいイベントにしたいと思っています。

胆振東部地震の後

まもなく胆振東部地震から1ヶ月が経とうとしています。私が住んでいる所は被災地から100kmほど離れているので、停電以外の大きな被害はありませんでしたが、1週間ほどは流通が滞っていたので、欲しいものが手に入らないことがありました。

幸い、停電していた時間が短かったので、冷凍庫の中に入っていた食材は問題なかったです。しかし、いつ入れたのか分からないようなものが沢山あったので、何か買う前に今あるものを使い切ろうと、ある物を食べるようにしていました。それにしても、あるわ、あるわ・・・。やっと冷凍庫もスッキリしてきました。

震災後に近くのスーパーやコンビニの商品がどのぐらい残っているか写真を撮って、facebookにアップしていましたが、記録として残しておきます。

9月6日(木)職場近くのコンビニ

地震当日の夕方です。停電の復旧が早かったので営業はしていたものの、ほぼ空っぽの状態でした。アイスなどの製品は販売中止になっていました。廃棄処分するので無料で配っているところもあったようです。

9月7日(金)職場近くのスーパー

地震の翌日です。仕事帰りにスーパーに寄ってみましたが、ほとんど空っぽでした。この時点では道内の半分ぐらいは停電していたと思います。

9月8日(土)自宅近くのスーパー

陶芸教室の帰りに寄りました。野菜や果物はありましたが、大豆製品はほとんど残っていませんでした。

乾麺の在庫はまだありました。

袋麺やカップラーメンなどもありますが、いつもよりもかなり少ないです。

お茶は残っていましたが、水がほんの少しだけありました。

卵はありました。

パスタ類もまだ大丈夫。

肉類は空っぽでした。

魚は少しありました。

さすが北海道。鮭はありました。

9月9日(日)自宅近くのスーパー

この日も陶芸教室の帰りに寄ったので、前日と同じぐらいの時間です。やはり大豆製品は品薄でした。

パン屋さんの営業も始まっていましたが、種類はほんの少しだけでした。

乾麺は残っていますね。

冷凍食品は空っぽです。このエリアは停電している時間が長かったので、全て処分したのでしょう。

水はコントレックスしか残っていませんでした。

前日あった卵は品切れでした。

肉類はまだ空っぽでした。

魚類は前日同様ありましたが、前日見かけなかった刺身もありました。

ご近所野菜はありましたが、地域によってはかなり不足していたようです。

9月13日(木)自宅近くのスーパー

地震から1週間経ちました。まだ少なめですが、パンの種類が増えました。

水も少し増えました。

麺類も戻ってきました。

卵もたっぷり。

乳製品はまだ品薄でした。

豆腐、納豆はまだ品薄でした。入荷してもすぐに売れてしまうのでしょう。

肉類は普段どおりまで戻りました。

空っぽだった冷凍の肉も戻りました。

魚の種類も増えてきました。

刺身は値引きシールが付くほどになりました。

野菜もほぼ通常通りまで戻っていました。

食品に関しては、1週間でほぼ戻ったと思います。地域によって差はあると思いますが、乳製品や大豆製品も3日後には元通りになっていました。

こうやって品物が増えてくると、値引きシールが貼られる割合も増えてきます。世の中には満足に食べることができない人も沢山います。無駄にすることのないように消費していきたいですね。

今回の地震の影響で、あちこちの観光地ではキャンセルが相次いでいて、観光業にも大きな被害が出ています。震源地に近いところはまだ不便な生活を送っていますが、北海道はとても広いです。

地震の10日後になりますが、2泊3日で黒岳でテント泊をしてきました。紅葉のピークを迎えていましたが、やはり外国人観光客の姿は少なかったように思います。

3日目は朝から雨だったので、予定を変更して早めに切り上げましたが、山の中はいつもと変わらない美しさでした。

今年歩きたいと思っていた大雪山のトムラウシと十勝連峰のオプタテシケを繋ぐルートを残してしまいましたが、時期的に厳しくなってきたので、冬の間に体力作りをして、来年の目標にしたいと思います。

まだ正式な告知をしていませんが、11月24日(土)に太郎吉蔵(滝川駅前)で、陶芸作品と山の写真を展示するイベントを行います。本格的な準備はこれからになりますが、陶芸、写真、ムービー制作、フォトブック制作をしていきたいと思います。

がんばろう、北海道。

私もがんばろう。

胆振東部地震

台風21号は関西方面に大きな被害をもたらし、9月5日の深夜に北海道を通過しました。

そして、翌日の9月6日、午前3時7分。

携帯電話の大きなアラームが鳴った直後に大きな揺れを感じました。

家の中の被害はほとんどなく、直後は電気も通っていたので、そのまま眠ってしまいました。朝、目が覚めると北海道全域が停電していることを知り、地震の被害を知ることになりました。

私が住んでいる空知管内は比較的災害の少ない地域ですが、震度4だったようです。物心付いてから感じた地震の中では最も大きかったです。震源の胆振東部では震度7を観測したようで、土砂災害に巻き込まれ亡くなった方もおられます。

町中の信号が消えました。警察官が立っている交差点は少なく、ほとんどが無人でした。田舎なので、さほど困ることはありませんでしたが、これが札幌だったら大変だろうなと思いました。

職場も自宅も電力の復旧は早かったのですが、同じエリアでも翌日になっても回復していないところが多かったです。ガソリンスタンドは渋滞し、営業しているスーパーやコンビニの棚は空っぽになりました。

しかし、真冬でもなく、真夏でもなく、この時期だからこそ、被害は最小限で済んだと思います。

まだ流通は滞っていますが、家庭菜園で野菜を作っている家も多いし、電気が通ればお米も炊けるし、乾麺などは手に入るので、食べるものはまだ何とかなると思います。

私は9月3日に2泊3日の山行を終えたばかりでした。北海道の山は電気・ガス・水道がないのは当たり前なので、衣食住を背負って歩かなければなりません。条件がよければ素晴らしい景色を見ることはできますが、そこへたどり着く道のりは決して楽ではありません。

「辛い思いをして、なぜ山に登るのか?」とよく聞かれますが、衣食住を背負って山に入るだけで、多くを学ぶことができます。水がどれほど大切であるかよくわかります。おにぎりのパワーがどれほどあるかも知っているし、携帯トイレに用を足すことにも抵抗はありません。

ここ数十年の間で、私たちの暮らしはとても便利になりましたが、自然は何万年も前から破壊と再生を繰り返してきました。急速な文明の進歩は自然に大きな影響を与えていると思います。自然は時に厳しく残酷だけど、私は山で生き方を学びました。

停電中はUSB機器の充電ができるソーラーパネルが役に立ちました。蓄電機能はありませんが、スマホ、モバイルバッテリー、ノートPCの充電が出来たので、情報収集に困ることはありませんでした。曇り空ではさほど役に立ちませんが、晴天ならば効果があります。重量は500gほどあるので、山に持って行くには重いのですが、こういう時には便利だと思いました。ニュージーランドに行く前(4月)に異国でのバッテリー切れを恐れて4,200円ほどで購入したのですが、震災後に一気に価格が高騰しているようで、同じものが17,000円ほどになっていました。クリスマスシーズンにゲーム機が希望小売価格よりも大幅に高値で販売されることがありますが、被災地では多くの人が助け合っている大変な時期に儲けに走る人もいるんですね。

9月11日追記:5,300円ほどに値下げされていました。

被災地の復興には時間がかかると思いますが、真冬の北海道で同じようなことが起これば、これだけの被害では済まないでしょう。多少の備えがあったとしても、長くは持ちません。

世界規模で大きな災害が起こっています。自然の脅威に対して、人間は無力です。

どうやって生き抜くか本気で考えないといけませんね。

これから、私にできることやっていきたいと思います。

亡くなった方のご冥福をお祈りします。

2018年、新作。

すでに終了しましたが「あかびらツクリテフェスタ」に向けて新作を沢山作りました。イベント前後は準備に追われていて、ゆっくり紹介する時間がなかったので、窯出しした器たちを紹介します。

新作の「小人の家」は好評につき完売しました。秋頃大量にリリース予定の新作にご期待下さい。

粘土が変わると結果も変わる

陶芸を始めたときは、教室で準備してくれている粘土を使うことが多いと思います。白系、赤系、黒系の3種類ぐらいは用意してくれていて、あとは釉薬の組み合わせで、色を施していくのが一般的なのかなーと思います。粘土によって、食器には向かないとか、ロクロ挽きがしやすいとか、特徴も違ってきますが、使いやすいものを用意してくれていると思います。

過去に採取した粘土から器を作るまでの工程を試したことがありましたが、時間も手間も掛かる大変な作業でした。今では個人でもネットで手軽に取り寄せることができるので、新しい粘土を試してみたい時は、ポチッとやるのが手っ取り早いと思います。当たり前ですが、自分で仕入れた粘土は自分で管理しないといけないので、それが嫌ならば、教室で用意してくれるものを使うしかありません。

今年に入ってから、赤粘土をロクロ挽きしやすいものに変えるという話がありました。これまで使っていたものは、キメが粗くて、コシが弱く、大きなものを挽こうと思うと、すぐにヘタってしまいました。しかし、粘土が変わると結果も変わるので、しばらくは残っていた以前の粘土を使っていました。

これまでの粘土で作った「小人の家」がこちら(↓)です。

新しい粘土は、キメの細かいフルイなどで不純物を取り除き、水でより細かくろ過した「水簸(すいひ)でした。水簸の利点は小石などが取り除かれて、きめ細かい土になるのでロクロ挽きがしやすくなりますが、その反面、本来の土味(個性)が失われることがあります。

実際、この粘土はとても挽きやすくて、これまでは挽けなかった大きなサイズのものがいとも簡単に挽けました。

新しい粘土を使ったものがこちら(↓)です。化粧土の濃度で違いが出るので、全く同じ条件ではないのですが、屋根がドクドクしい緑になり、やはり前の粘土とは同じ雰囲気にはなりませんでした。

マグも同じですが、これまでの粘土を使ったものが、こちら(↓)です。この雰囲気が好きだったんですけど。

新しい粘土を使ったものが、こちら(↓)です。粘土の素地の色が淡くて、かなり雰囲気が違っています。個人的な感想ですが、なんかちょっとつまんない・・・っていう感じになりました。

これまで使っていた粘土は生産中止になった訳ではないので、先生に相談して再度仕入れてもらい、半分ずつ混ぜて使ってみることにしました。

マグを10個ほど挽いておきました。新しい粘土に変わったら、好みの色になるように研究していかないといけません。

粘土そのものが結構柔らかかったので、ロクロ挽きがしやすいとはあまり感じなかったですが・・・。

結果は少し先になりますが、焼き上がったら紹介したいと思います。

伊羅保・ワラ灰マット・織部

西日本では大雨による土砂災害で多くの人が亡くなり、まだ安否が確認できていない人も大勢いて、自然災害の恐ろしさを目の当たりにしました。北海道も例年にない雨が続いていて、7月に入ってから雨が降らなかった日は1日か2日だったような気がします。このままでは農作物への影響も避けられないと思います。

長期予報では、今年は猛暑のはずだったのに・・・。天気予報もコロコロ変わり、2日先の天気も読めなくなっています。

いつもの年ならば、イベントが終わると陶芸スイッチがブチッと切れ、夏山スイッチがカチッと入り、それまで真剣に取り組んでいた陶芸からは一気に気持ちが離れていきます。しかし、のんびりお山に行けるような登山日和の日が全然ないので、7月に入ってからの週末も粘土いじりをする日が多くなっています。

釉薬の掛け合わせ

毎年たくさんマグを作っているので、色見本になるデータをきちんと取っておこうと思いつつも、イベントが終わるとほったらかしになってしまうので、忘れないうちに記録を残しておきます。

教室では20種類ほどの釉薬を用意してくれていますが、一回の作業で何種類も組み合わせると訳がわからなくなるので、最近は3種類までに留めています。

たった3種類の釉薬でも掛ける順番が違えば、出る色も違ってきます。今回使った釉薬は「伊羅保」、「ワラ灰マット」、「織部」です。同じ名前の釉薬でも仕入先によって色味は違ってくるし、粘土が違えば雰囲気も変わります。

粘土は教室で普段使っている「信楽並土」です。素焼きが終わったものが14個ありました。この粘土に「透明」の釉薬を掛けると、やや黄色味がかった白に焼き上がります。「生成り色」っていうのかな。

ベースカラー:伊羅保

「伊羅保」は去年から使っていて、結構気に入っているのですが、薄く掛けるとマット調になり、濃く掛けるとツヤが出ます。全体にサッと潜らせてから、上側と下側に別の釉薬を掛けていきました。

焼き上がりはこんな感じ(↓)になりましたが、渋めの色が出て、個人的にはどれも好きでした。釉薬の濃淡によってムラが出てきて、色んな表情を見せてくれます。

ベースカラー:ワラ灰マット

「ワラ灰マット」は、白っぽく発色しますが、素地の色が出てくるので、まだらな優しい印象になります。最初に全体に潜らせると、内側は白っぽくなるので、飲み物の色が分かるようになります。

焼き上がったのがこちら(↓)ですが、重ね掛けした部分にピンホールが出来たものもありました。

3種類を組み合わせたものにもピンホールが出てしまいました。釉薬が厚くなるとピンホールが出来るのかな?

ベースカラー:織部

「織部」は陶芸では定番のカラーだと思いますが、単色で使っても好まれます。一口に織部と言っても、仕入先や窯元ごとに調合が違うので、深い緑だったり、エメラルドグリーンのような色もあります。こちらの教室で使っているものは「新織部」という名前が付いていますが、あまり深みのない鮮やかな緑です。

焼き上がりはこちら(↓)ですが、「伊羅保」を組み合わせたものは、ほとんど色が出ていません。重ね掛けするときは、サッとしか浸けないので、濃度が薄かったのだと思いますが、順番が違うと結果はここまで違うんだなーと思いました。

こんな風に流れるのも味があっていいなーと思いました。ホント、陶芸って奥が深くて面白いと思います。

私信・小人の家

「あかびらツクリテフェスタ」では新作の「小人の家」が好評でした。新しい家が焼き上がったら連絡が欲しいと言ってくれる方が何名かいて、3点だけ窯出ししたのでお知らせします。

小人の家としては、3度目の窯出しになります。これまでと同じように屋根を濃い色にして、ツートンにするつもりが、絵の具の濃度が薄くて、ヘンテコな色になってしまいました。

こんな色ではどうしようもないので、何とかしなきゃと思って、ミルクペイントのアンティークメディウムを屋根に塗ってみました。釉薬が掛かった陶器はガラス状になるので、剥がれてしまうかもしれませんが、経過観察をしたいと思います。

新しいバージョンは屋根のとこの「キュルン」がうまく出来るようになりました。

サイズは屋根まで合わせると20cmほどあるかなと思いますが、正確に計っていません。それほど大きくないので、玄関先やお部屋に飾っておくのにいいと思います。

秋のイベントに向けて、小人の家を増産中ですが、削りで失敗したり、化粧土を掛けた段階で壊れるものもあり、思うようには進みません。これから色々なバリエーションで試作をしていきたいと思います。