ミルフォードトラックをモチーフにしたマグ

「あかびらツクリテフェスタ」が終わり、今年予定していたイベントは終了しました。ニュージーランドから帰国したのがGW中でしたが、その後の準備期間中は山の誘惑に負けず、陶芸と向き合うことができました。

帰国後は新作のイメージが湧いてきたし、コンスタントに続けることで成形の精度も上がっていて、自分の中でとてもいい状態になっているのを感じたので、この状態をできるだけ維持しようと思いました。「ニュージーランドでたっぷり歩いてきたから、まぁいいや」と自分を納得させる材料があったのもよかったと思います。

去年は朝早い時間に山に入って、下山してから陶芸に行くということをやっていましたが、一度でも山に入ってしまうと、陶芸から気持ちが離れてしまうのは、これまでの経験から感じていたので、どんなに天気がいい日もグッと堪えました。山に入ってしまえば、陶芸のことが気になり、陶芸をしているときは、山が気になる・・・という、変なループに陥ってしまいます。

「二兎追うものは一兎をも得ず」なんだと思います。二つのことを同時進行できるような器用な人間じゃないし。

出発前、トレッキングのお供にしようと思い「ミルフォード・トラック」をイメージしたマグを作りました。結局、間に合わずに別のものを持って行きましたが、帰国後に焼き上がったのがこちら(↓)です。

新作の反応を見たいこともあり「サッポロモノヴィレッジ」に持っていったところ、ダンディな男性が買ってくれました。他のお店のものと比べていたのか、何度かブースに立ち寄って、吟味して選んでくれたように思いますが、ヤマレコではすでに山行記録を残しているので、レコを読んでいる人なのかもしれないと思いました。

一応、トレッキングコースをイメージしているので、新芽から始まり、鳥が飛び、木々あって、山があって、山小屋があって、橋があって、モニュメントがあって、羊がいて、太陽で締めくくっています。

帰国後、実際に見た景色でいくつか作りました。

シダから始まり、飛べない鳥ウェカがいて、吊橋があって、鳥がいて、山があって、山小屋があって、太陽があって、橋があって、モニュメントがあって、羊で締めくくっています。

化粧土が薄くて、粘土の色が強く出てしまったので、イメージ通りの色にはなりませんでしたが「あかびらツクリテフェスタ」では、このシリーズを選んでくれる人も多かったです。

このブログでは、まだお知らせしていませんが、晩秋に陶芸と写真とスライドショーを合わせた個展イベントを開くことにしたので、このシリーズのマグを沢山作る予定です。

私が見たもの、感じたものを、私なりの方法で表現したいと思います。

2018年初夏ー再生

みっちぃと五郎さんが出会ったのは、2014年の気持ちいい秋晴れの日でした。陶芸作品とイルミネーションを組み合わせた個展「灯の杜」を開くために森をイメージした展示台を作ってくれる人を探していたところ、紹介してもらったのが五郎さんでした。すっかり意気投合した二人は、翌年から「五郎さんち」というユニット名で、年に一度のペースでイベントに出展するようになりました。

二人が顔を合わせるのは、イベントの準備~本番までの極限られた期間だけで、それ以外の時期は連絡を取り合うことも少なくなります。イベントが終わるとみっちぃは夏山へシフトしますが、このスイッチが入ると陶芸や木工には全く興味がなくなり、雲の上の世界の住人と化します。そして、大雪山が初冠雪を迎える頃にゆっくりと身も心も麓へ下りてきて、翌年に向けて少しずつ準備を始めていきます。

2014年当時、五郎さんが建てたアトリエの入口にはトレーラーが置かれていました。

敷地内にはもう一棟ログハウスがあります。今はギャラリーと呼んでいますが、ここはそば屋にでもしようと思っていたのでしょう。

あれから4年・・・トレーラーはいつの間にかなくなり、独立していた二棟のログハウスはウッドデッキで何となく繋がっています。ギャラリーの周りには長い冬を乗り越えられるよう壁が付けられて、内部は水洗トイレや洗面台などの水回りの設備が整い、お客様を迎えられそうな準備ができました。

先日出展した「あかびらツクリテフェスタ」では、近郊からの来場者も多く「五郎さんち」が赤平にあることを知ると、見に行きたいと言う人がいるのです。しかし、テラスには色々なものが乱雑に置かれていて、ゲストを迎えられる状態ではないのです。

まずい・・・片付けなきゃ。

イベント終了後の反省会で、良かったこと、悪かったことを話し合いました。今後の改善点なども見えてきて、色々な気付きがありました。せっかくこんなに広い敷地があって、素敵なログハウスがあるんだから、いつでもお客さんを受け入れられる体制にしておきたいと思いました。

たこ焼きパーティぐらいやりたいもの。

反省会で決めたこと

  • 五郎さんの作ったテーブルや椅子があるんだから、既製品は捨てよう。
  • 放置したままのみっちぃの陶器は処分して、五郎さんち専用のカップを作ろう。
  • ギャラリーの外壁に色を塗って、リフォームしよう。

「好きなように塗っていいよ。どんな風になるか見てみたい。」という五郎さんの言葉で、俄然やる気が湧いてきたので、その日のうちにホームセンターにペンキを買いに行きました。

まずは全部白く塗ってからカラーリングしていきたいので、マットホワイト(3,579円)をチョイスしました。

五郎さんの唯一の教えは「ペンキは薄めて使うこと」でした。みっちぃは惜しげもなくペンキを消費するので、いつも気になっていたのでしょう。

6月25日-作業前

あかびらツクリテフェスタが終わった翌日、間髪入れずに作業を開始しました。天候は曇りで、湿度が高く、向こう10日間は晴れマークのない予報です。蝦夷梅雨というやつですね。蜘蛛の巣やホコリなどを払い落とし、たっぷりの水でペンキを薄めて、手の届く範囲から塗り始めました。

6月25日-作業後

下半分だけうっすらと白くなりました。作業時間は30分~1時間ほどで、8時にアラームをセットしておき、制服に着替えてここから出勤します。

6月26日-作業後

前日とほとんど変わっていませんが、脚立を引っ張り出して、上の方も少し塗りました。

6月27日-雨

この日は雨だったので、外壁の塗装はせず、白い花台をアンティーク風に塗り直しました。外壁と同時進行していますが、毎日少しずつ色を濃くしていって、どの辺りで止めようか思案中です。ミルクペイントのホワイトとアンティークメディウムの組み合わせです。

6月28日ー作業後

この日も朝からどんよりした空模様でしたが、曇り予報だったので作業開始しました。手前側の方も塗っていきました。

6月29日ー作業後

4日間の作業で全体の4分の1ぐらい終わりました。ペンキの残量は半分ほどなので、全体を真っ白にするにはもう一缶必要になると思います。その後、柱を別の色にしようと思っています。毎日1時間ほどの作業ですが、朝のルーティンに組み込み、秋までに仕上がればいいなーと思っています。

顔を洗うのと同じように、ペンキを塗るのが生活の一部になるといいな。毎日やってたらそのうち塗装技術も身に付くと思います。

白い花台はかなり茶色になりました。乾くとアンティークの風合いに変わります。

みっちぃが何かをすると五郎さんも動きます。五郎さんは夕方ここに来ているようですが、アトリエのリフォームを始めた様子です。毎日少しだけ変化があるのが面白いです。

五郎さんちは次のステップへ進みました。

あかびらツクリテフェスタ2018終了

2回目の開催となる「あかびらツクリテフェスタ」が終了しました。やや不安定な空模様で、時折風が強くなったり、少し雨に当たることもありましたが、両日とも大勢の来場者があり大盛況だったと思います。出展したお店は79店舗、飲食ブース9店舗、地元企業など、約90店あったと思います。

「あかびらツクリテフェスタ」は、2015年が最後の開催となった「ふらのクリエイターズマーケット」を引き継いだものです。ふらのクリエイターズマーケットは、道内外からクオリティの高い作家さんが集まる大人気のイベントでした。空知でこの規模のクラフトイベントができることは素晴らしいと思います。実行委員会はもちろんですが、協賛企業と大勢のボランティアスタッフがイベントを支えていて、赤平市の歓迎ムードも伝わってきます。

「五郎さんち」は、屋外の青空ブースで出展しましたが、駐車場近くの好位置でした。

9時30分から開会式が行われ、実行委員長の松尾氏の挨拶で始まりました。

続きまして、赤平市長の菊島氏よりご挨拶がありました。

そして、ロケット発射。他のイベントではなかなか見られない光景です。

作品が多すぎて、ブースの設営に時間がかかり、並べ終わっていないうちにスタートした感じですが、みっちぃの新作「小人の家」が飛ぶように売れていきました。50個以上あったマグも半分ぐらいになりました。(下の写真は2日目のものです)

1日目は山積みになっていた五郎さんの作品は、実際に使ってもらえるようなフォーメーションに変更しました。これがとても良くて、職場の同僚やお友達が大勢駆けつけてくれましたが、ここで皆で座っておしゃべりができました。

寄せ植え教室で作ってきた花を五郎さんが作ってくれた花台に並べるとブースも華やかになります。

ガーデンテーブルセットも買い手がつきました。(在庫あり)

展示台も全部売り物ですが、そう思われてなかったかも。天然木を使ったテーブルは、花台としても棚としても使い勝手がよかったです。

アイキャッチ用に作った五郎さんちの名前入りの「小人の家」も売れまして、10軒あった家は全てなくなりました。とても評判がよかったので、これから色々なバリエーションで展開していきたいと思います。

とても楽しくて、有意義な2日間になりました。また来年もエントリーしたいと思っています。反省点も沢山ありますが、今後へ向けて改善していきたいと思います。

ご購入いただいた商品に問題があれば、お気軽にお問い合わせください。

    みっちぃの新作

    「あかびらツクリテフェスタ」まで、あと3日になりました。みっちぃの陶芸作品の窯出しが済みましたので、新作を少し紹介します。

    陶芸に関しては、3ヶ月前から緩やかに準備を進めていましたが、途中ニュージーランドに旅立ったりしていたので、マグ以外のものは、ここ1ヶ月ほどで作ったものばかりでした。この時期、お天気が良い日は山の誘惑に負けることが多くなるのですが、気持ちが離れないように登山は封印し、粘土と向き合うことにしていました。

    新作のイメージが出来ていたのはマグだけでしたが、帰国後は色々とイメージが膨らんできて、後半は怒涛の追い込みになりました。結果として、作陶に集中できて、とても良い状態だったと思います。家に帰ったらヘロヘロでしたけど。(^^;

    五郎さんが作ってくれた天然木の棚に窯出ししたばかりの新作「小人の家」を並べてみました。扉が取れたとか、ドアの取っ手がないとか、細かいミスはたくさんありますが、庭のオブジェとしては良い感じになったと思います。ランプシェード、キャンドルポットにも使えます。お皿を組み合わせて、お香や蚊取り線香にもいいと思います。

    マグは先月のイベントに間に合わなかった分も含まれているので、50個以上はあります。掻き落としの新作は、ほぼイメージ通りの色が出せました。マットな質感で、渋い感じです。

    2~3種類の釉薬を掛け合わせたマグには、一部ピンホールが出来ました。ルーターで突起を滑らかにしていますが、ワケアリ処分品として激安で提供します。

    去年は湯呑みを型にして、丸い豆皿を作りましたが、今年は自分で型を作って3種類の豆皿を作りました。

    まだテストしていませんが、カードスタンドも作りました。プライスカードや名刺などを立てておくのにいいと思います。

    小さなフラワーポットです。多肉植物を寄せ植えして、並べたいと思います。

    今週に入ってから、ペイント担当のみっちぃは仕事に行く前に五郎さんちに立ち寄り、ペンキ塗りをしています。大道具担当の五郎さんは仕事が終わってから、新作を生み出しています。同じ時間にこの場所に居ることはほとんどないし、特に打ち合わせをしていなくても、連携プレーがうまく出来ています。

    週末は「あかびらツクリテフェスタ」でお待ちしています。大気が不安定で、天気予報がコロコロ変わります。お天気良くなるといいなー。

    過去最大数の失敗作

    昨年末の話になりますが、過去最大数の失敗作を生み出しました。10年以上やってますが、ここまでひどいのは初めてです。40点ほど窯出ししましたが、そのうち30点ぐらいはボツになり、そのまま処分してもらいました。

    失敗作の検証

    本焼きの温度は、そこそこで多少の差があると思いますが、一般的には1,200℃~1,250℃ぐらいでしょうか。私が通っている教室では、1,225℃で本焼きをしています。窯の温度が十分に下がってから窯出しをするので、スイッチを入れてから、焼き上がりまでは3日ほどかかります。扉を開ける現場にいることは滅多になくて、窯出し終わったものがテーブルに並べられていることがほとんどです。

    陶芸教室によって料金システムは違いますが、こちらの場合は焼き上がった作品の重さを計ってもらい、支払いをします。当然のことですが、うまく焼けても、失敗でも、自分が作ったものは全て支払いをしなければなりません。失敗作が大量に出てきた時には、それはもうガッカリします。不燃ゴミを作り出して、それにお金を払うなんて、環境にも財布にも優しくないです。

    ダメなものは処分してもらったので、既に現物は手元にありませんが、なぜこんなにも失敗してしまったのか考えてみたいと思います。

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    その1.重ね掛けの失敗

    流れやすい釉薬を使ったときによくある失敗例です。下の写真のお茶碗は「海鼠」を全体に潜らせてから、「白萩」を重ね掛けしたものです。施釉の時に高台に付いた釉薬は拭きとっていますが、それでも棚板まで釉薬が流れてしまうことがあります。

    棚板は安いものではありません。大きさによって違いますが、1枚5,000円ぐらいはすると思います。棚板から外れなくなった場合は弁償を求められることもあります。

    多少の流れであれば、グラインダーで削れば何とかなったりしますが、こんなに流れてしまってはどうしようもありません。釉薬の濃さに大きく関係しますが、重ね掛けした場合は、高台から1cmぐらいの高さまで撥水剤を塗った方が安全かもしれません。

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    その2.ピンホールやブクの失敗

    ピンホールは小さい穴のことですが、下の写真のマグにはプツプツと小さい穴が沢山見えます。ひどい場合はピンホールが突起状になっていて、怪我をすることもあります。

    他の方の作品でも目立つようになってきたので、ひょっとすると粘土を再生するときに使う石膏板に問題があるのでは?という人もいました。

    調べてみたところ、石膏の劣化してもろくなった部分が粘土に付着し、焼成中に分解して亜硫酸ガスとなって釉面から抜けた跡がピンホールとして残ることがあるようです。石膏は粘土の水分を吸収するので、粘土の再生の過程でよく使っているので、全ての粘土に共通しているのも頷けます。

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    下の写真を見るとよく分かりますが、ひどいことになってます。粘土は教室で使っている「信楽並土」に自分で仕入れた「チタンマット」を掛けたものです。

    白っぽく焼き上がると思っていたのに、こんな状態では完全にアウトです。こんなんじゃ、気持ち悪くて使えないです。

    素焼きが終わった作品は、濡らした布巾を固く絞って、作品全体をサッと拭いてから、釉薬を掛けた方がいいという話もありました。

    これには思い当たる節があり、ピンホールが出た大量のマグは素焼きが終わってから、半年以上放置していたものなので、埃が被っていた可能性があります。

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    お皿も同じような感じでした。問題なさそうなものもありましたが、全て処分してもらいました。今回処分した器たちは、他の講座に来ている方がいくつか持って帰ったようなので、使い手が見つかってよかったです。

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    この釉薬は、2014年11月に行った個展のために仕入れたもので、これまでに何度か使っています。下の写真は2016年の年末に窯出ししたものです。赤粘土とチタンマットの組み合わせですが、ひどいブクができています。

    粘土に空気が入っていたのかもしれないので、菊練りの段階からまずかったのかもしれません。

    こちらは大きく膨れ上がっていました。

    内側にも大きなブクがあります。ロクロ挽きに問題があったのかな・・・と思うところもあります。

    下の写真は、うまく焼き上がった時のものです。同じ粘土と釉薬を組み合わせたのにずいぶん結果が違うのが分かります。最初の頃は問題なかったのに、最近はまともなものが焼き上がっていなくて、釉薬そのものの濃度に問題があるのか、管理方法が悪いのか、粘土や窯との相性なのか、原因が分かりません。

    その3.化粧土の剥がれ

    以前も書いたことがありましたが、化粧土を使った時の失敗で多いのが、化粧土の剥がれだと思います。原因は、化粧土そのものの種類、化粧土の濃度、本体の乾燥具合、化粧土を掛けるタイミング、釉薬との相性などあると思います。

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    下の写真は透明釉を掛けたものですが、口の部分が完全に剥離していますが、他にも同じようなものがありましたが、化粧土の濃度が濃かったのだと思います。

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    2倍程度に希釈した透明釉を掛けたものも同じでした。口は化粧土を拭き取っているので問題なかったのですが、取っ手の部分が剥離しています。マットな雰囲気と優しい色合いがとても気に入ったので、この雰囲気でクオリティを上げようと試行錯誤しています。

    先週、薬掛けを終わらせた器たちが、まもなく窯出しになります。「あかびらツクリテフェスタ」で、目立つ場所に飾るか、アウトレット品になるか・・・結果はもうすぐです。

    寄せ植え教室

    「あかびらツクリテフェスタ」まで、1週間を切りました。みっちぃの粘土いじりも終わり、後は窯出しを待つばかりになりました。まだ紹介できるものがあまりないのですが、五郎さんちはここからの追い込みがすごいんです。

    今年は「五郎さんちの庭」をテーマにして、ディスプレイをしていこうと思っています。ガーデニングの知識は皆無ですが、陶器と木工とお花を組み合わせると、見た目がグンとアップするので、みっちぃの鉢を使って寄せ植えを作ることにしました。お花に関する知識は皆無だし、大きな器を挽く技術もないので、小ぶりなものばかりですが、全部で8鉢ありました。

    下の写真の左端はテラコッタ粘土を使った素焼き鉢です。左奥が無釉の焼き締め、右奥は白化粧土の掻き落としで透明釉を薄く掛けたもので、残り5個は全体に釉薬を掛けたものです。鉢の場合、釉薬の有無は、水はけの良し悪しに影響するので、大きな違いがあると思います。

    砂川でオープンガーデンをしているOKUさんに協力してもらい、寄せ植え教室を開いてもらいました。せっかくの機会なので、facebookやLINEのお友達にお知らせしたところ4人ほど集まりました。鉢は持ち込んでもらい、お花はあらかじめ用意してもらった中から選ぶシステムです。鉢の大きさにもよりますが、一鉢に3株ほど組み合わせていきました。

    詳しく見てなかったんですが、土は2種類をブレンドしたものに肥料みたいなものを入れていました。

    器の底に軽石を敷きました。

    お花を選んで、ざっくりとイメージを決めます。お花をポットから外し、ついていた土をサッと落として、鉢に植えていきます。低くて、背の高い花を入れるとバランスが悪かったり、こうやって実際に使ってみると、使いやすい器とそうでない器がありました。

    自分の器の寄せ植えが終わると、皆で手分けして私の器も寄せ植えしてくれたので、1時間ほどで沢山作れました。

    そして、五郎さんちへ移動して、並べてみました。下の写真の白いベンチは3年前にテーブルとセットで作ったものです。買い手が付かず、その辺に放置されていましたが、色を塗り直したら生まれ変わりました。座面の奥行きが浅いので、ベンチとしてではなく、こうやって花台として使った方がいいかもしれません。

    手前にある背の低い棚は新作です。五郎さんに同じようなものを作ってもらっているので、これからもう少し増えますが、天然木を使った一点モノになります。

    ちなみに天然木の買い付けはみっちぃがやっているんですが、道南の厚沢部町まで片道5時間の道のりを走り抜け、フィーリングに合うものを車いっぱいに詰め込んでくるんです。

    寄せ植え教室については、OKUさんのブログで詳しく紹介されていましたので、こちらもどうぞ。

    ローズミンタラ(寄せ植え教室)

    2018年春-再会

    今年は例年よりも雪が多く、五郎さんちは長い間、雪の下で眠っていました。五郎さんちの敷地には、2棟の建物(ギャラリーとアトリエ)があります。ひょっとしたら2棟とも雪で押しつぶされてしまったのではないかと心配していましたが、何とか無事だったようです。

    写真は4月22日のものですが、久しぶりにみっちぃと五郎さんがこの場所に集まりました。みっちぃと五郎さんの会話は英語で始まりますが、挨拶が終わると次の単語が出てこなくて、すぐに日本語に戻ります。

    今年も「あかびらツクリテフェスタ」の書類審査が通り、見事出展が決まりました。今年は何をテーマにしようかと作戦会議をしていきます。

    そうそう、ブログをほったらかしにして、五郎さんちのことをほとんど紹介していませんが、五郎さんちは赤平市のエルム高原キャンプ場へ行く途中、大きなカーブの手前にあります。気を抜いていると間違いなく通り過ぎるでしょう。

    道路側にある建物は、内部をかなり改装しました。水洗トイレもつけ、水回りも整備したので、カフェができるぐらいの感じまで整っています。本当にカフェとしてやるならば、保健所の厳しい審査をクリアしなければならないので、今は「ギャラリー」ということにしておきましょう。

    かなり仕上がってきていますが、五郎さんはパートタイムで仕事を始め、みっちぃはフルタイムで働いているので、残念ながらほとんど不在なのです。しかし、こうやって2人が揃うと、眠っていた建物は活気に満ち溢れていきます。

    みっちぃは、いつも五郎さんに無理難題を持ちかけます。

    五郎さんはどんな問題にも「Yes, I Can」と答えます。

    数日後にニュージーランドに旅立つみっちぃは、山小屋で使うメスティン(飯ごう)に水切り穴を開けて、湯切れメスティンを作ってもらいたいというのです。何か新しい作品のアイディアが浮かんだのかと思いきや、いつもこんな調子で二人は動き始めるのです。

    まずは自分が欲しいと思うもの作るのが、モノ作りの基本だと思います。

    コーナーに目印を付けて、ドリルで穴を開けるだけの作業です。

    あっという間に終わるかと思いきや、意外と手こずる五郎さん。

    穴がずれて、目印どおりにうまくいかない・・・

    バリを取り、穴の凸凹を滑らかにして。

    できあがり。でも、メスティンは作りがしっかりしていないのも多くて、実際に水を切ってみると、穴から出る前に横の隙間から漏れてしまった・・・笑

    メスティンには、スモールサイズとラージサイズの2種類あって、スモールサイズは一人分のご飯を炊くのにピッタリですが、ラージメスティンはフライパンとして使ったり、パスタを茹でたりできるので、大小二つ持っていると便利です。蓋はお皿の代用にもなるし、四角いサイズはパッキングしやすいので、ニュージーランドに持っていった調理器具はこれだけでした。

    キュンとした小鉢

    気がつくと陶芸歴は12年目に突入していました。子供の頃から芸術センスは皆無で、30代になるまではモノ作りとは無縁でした。欠けた茶碗を平気で使っていたし、陶芸を始めるまでは「趣味」と言えるものはなく、四六時中パソコンに向かい、昼夜逆転した生活を送っていました。そんな生活を続けていると、どこかに歪みが出てくるもので、いつも頭の中がギラギラしている感じでした。

    初めての作品が焼き上がった時のことは今でもはっきり覚えています。粘土の塊から器が出来ることに感動し、粘土と釉薬の組み合わせで無限に広がる奥深い世界に興味を持ちました。粘土に触れることで体の中から悪いものが抜けていくような感覚になり、とてもリラックスできました。

    最初は週に一度、2時間程度の手びねり講座を受講していましたが、陶芸をしている時間が楽しくて仕方なかったので、自分のスケジュールに合わせて通える教室が他にないかと、道場破りのように陶芸教室やサークルをハシゴしました。使っている粘土や釉薬も教室によって違いがあり、ますます面白くなってきました。

    今はすっかり落ち着いて、新十津川町のふるさと公園にある「新十津川町文化伝習館」でお世話になっています。以前のように毎週通うことはなくなりましたが、イベント出展が決まった2ヶ月前ぐらいから、テーマを決めて自分を追い込むように取り組んでいます。

    キュンとした小鉢を作りました

    イベントに出展するときは、自分のスペースが決められます。以前は作品の少なさを大きさでカバーするために大皿などを作っていましたが、今は小さい器を好むようになりました。お料理が好きな人ならば、色々な器を使い分けると思いますが、小さめの器を組み合わせて、色んな種類のおかずを盛り付けると見栄えも良くなります。

    器の縁がキュンとなっているものは意外と使いやすいと思います。一箇所だけキュンとなっているのは「片口」と呼ばれますが、四方向にキュンとさせたものは何て呼ぶのかな?「四口」かな?

    水分を切るときにも便利だし、ドレッシングやソースを注ぐのにもいいと思います。デザートならばスプーンを引っ掛けておくのにもいいです。デザイン性も高くなり、機能面でもいいと思っています。

    ロクロ挽き&口をキュンとする

    イベントに向けて何かを作ろうと思ったときは、一気にまとまった数を挽きます。口の大きさや高さをきちんと測っているわけではないので、実際にはかなりバラつきがありますが、挽いたものをどんどん並べていくので、目算でだいたい揃えています。これだけあったら、どれか同じのあるでしょーというザックリとしたスタンスでやっています。

    挽いた直後の状態だと口元はかなり柔らかいので、少し時間が経った頃に口をキュンとやっていきますが、私の場合、道具は使わず指だけです。左手の人差し指と親指でVの字を作って、器の外側に当てておき、右手の人差し指で器の内側から、Vの字に向かってスライドさせていきます。

    粘土は教室で使う基本の信楽並土で、透明の釉薬を掛けると生成り色っぽく焼き上がります。写真を見る限りでは、全部で27個ありました。(3月4日)

    削り

    適度に乾燥させたら、高台を削ります。発泡スチロールに入れたままだと、1週間経ってもほとんど状態が変わらないので、前日に教室に電話を入れて、蓋を開けてもらい、粘土の状態を調整してもらうようにしています。

    写真を見る限りでは、27個→23個に減っているので、4個は削りに失敗してますね。この段階ならば、粘土に再生できるので、ダメだと思うものは壊してしまいます。(3月11日)

    絵付けと施釉

    削り終わった作品が完全に乾燥してから、700℃ほどで素焼きをします。素焼きは作品を重ねて焼けるので、他の生徒さんの作品がたっぷりたまってからになりますが、夏場は陶芸体験が増えるので、かなりペースアップします。(4月8日)

    下絵の具で絵付けをするときは、素焼き後に行います。黒い絵の具で3本ラインを入れました。

    色の濃い釉薬を使うとせっかく書いた絵が消えてしまうので、基本的には色の薄い釉薬を掛けることになります。「透明」を全体に掛けてから、口の部分だけ「新織部」を掛けています。

    こちらは太めの筆で、サッと書いたものに「透明」を掛けました。

    窯出し

    絵の具のかすれた感じもそのまま出ています。口の部分に掛けた織部がキレイに発色していて、いい感じに焼き上がったと思います。評判も良くて、サッポロモノヴィレッジで完売しました。(5月19日)

    筆でサッとやったものもイメージ通り焼き上がりました。呉須を使った方が印象が柔らかくなるので良かったかもしれません。内側に少し装飾をすればよかったかも。

    黒い絵の具で内側にラインを入れて「白鳳マット」を掛けたものは、ラインの発色がイマイチでした。以前、同じ組み合わせで、いい感じで焼き上がっていたのに、最近は窯との相性が悪いように思います。同じ条件で焼いたつもりでも、前と同じ色には出せないことがあります。

    初めてのキュン

    ちなみに初めてキュンとやったのは、2008年9月でした。ロクロを始めて2年目で、やっと自力で作品を作れるようになった頃のものです。お茶碗ほどのサイズですが、とても使い勝手が良くて今でも現役です。

    ごはんの器できました

    私は北海道の田舎町の米農家に生まれたので、小さい頃から美味しいお米を食べていました。今では朝食はパン、昼食はご飯、夕食は麺類や肉類などが多くなり、毎食ご飯を食べる訳ではありませんが、山に登るときは、おにぎりを作って持っていくことが多いです。行動食として食べやすいのはパンですが、腹持ちがいいのは断然「お米」だと思います。

    ごはんの器を作る

    自分自身のことを考えると、マグはその日の気分で使い分けるし、お皿はおかずによって、大小色々使い分けますが、白米を食べるときはお茶碗を変えることはありません。皆マイ茶碗というのがあるだろうし、2つ以上を使い分けるケースは少ないだろうと思い、最近はほとんど作っていませんでした。去年から持ち越している在庫を確認すると、ご飯に合いそうな器は全部なくなっていたし、今年は私の器で食卓をコーディネートできるようにしたいと思い、まとまった数を作ることにしました。

    ロクロ挽き

    末広がりのマグばかり作っていたので、お茶碗のような丸いフォルムで口が広がった器ってどうやって挽くんだったかな・・・という状態に陥っていました。でも、先生に一つ見本を挽いてもらえば、大体同じような形のものは挽けるかなという感じになりました。

    お茶碗のサイズや形の好みはそれぞれ違うと思うので、形は全然揃っていませんが、1時間もあればこのぐらいは挽けるようになりました。サイズを整えることに関しては全く出来ていませんが、早く挽くことだけは上達したように思います。(4月21日)

    高台の削り

    私のような期間限定の週末陶芸家がイベントに出展するときは、一気にまとまった数を作らないといけません。急いでいるときは、土曜日に挽いて、日曜日に削るのがベストだと思います。掻き落としなどの装飾をする場合は、持ち帰って平日の夜に自宅で作業すれば、次の週末には素焼きスタンバイ出来ます。

    削りで湿台(シッタ)を使う場合、中心を合わせたりする手間もあるので、一般的に挽く時間よりも削る時間の方が長くかかると思います。私の場合は挽いた時間の2~3倍かかると思うので、1時間で挽いたものは、削りには2~3時間掛かると思っています。

    底の厚さを気にしすぎて、穴をあけてしまうこともありますが、調子がいい日はロスなく削れます。この日はとても集中できていたと思います。(4月22日)

    施釉

    白いお米が引き立つように濃いめの釉薬を使うことにしました。教室には、そば系の釉薬が2種類あるので、それぞれ単色で掛けたものと、2種類を掛け合わせたものにします。(5月13日)

    窯出し

    2種類の釉薬をそれぞれ使ったものと、掛け合わせたものです。手前左が「そば1」、手前右が「そば2」、奥は「そば1」を掛けてから、「そば2」を掛けたものです。(5月19日)

    「そば1」単色だと、黄土色っぽい色になります。

    「そば2」単色だと、こげ茶っぽい色になります。

    2種類を掛け合わせると、釉薬の濃さによっては金粉がかかったようになります。掛ける順番が逆だと色は違ってくると思います。粘土の種類、釉薬の種類、掛け合わせる順番で、出てくる色は違ってくるので、とても奥深いです。

    残りの5つは「新織部」を使いました。グリーンを好む人も多くて、この色も評判が良かったです。

    先月の「サッポロモノヴィレッジ」では、各色何点かずつ里親が見つかりましたが、まだ沢山残っているので、6月23日~24日の「あかびらツクリテフェスタ」に持っていきます。

    初めてのお茶碗

    ちなみに初めてのお茶碗だと思われる作品はこちらです。陶芸を始めた2006年の12月に作ったものです。滝川の陶芸センターで、手びねりから始めました。細長い紐を作って積み上げたものを伸ばしていきます。化粧土を刷毛で掛けているので、この頃から化粧土に興味を持っていたと思われます。

    当時やっていたパソコン教室の生徒さんにプレゼントしました。分厚くて、ずっしりと重みがありますが、自分の中では結構気に入っていたものです。この頃、陶芸が楽しくて楽しくて、自宅で毎晩粘土いじりしてました。

    サッポロモノヴィレッジ終了

    2年ぶり、2回目の出展となった「サッポロモノヴィレッジ」が終了しました。出展しているお店の数を数えてみたところ、約1,000店ありました。お天気にも恵まれて、朝から多くのお客さんが入っていたように思います。

    ブースのセッティングやディスプレイについても慣れてきたので、開始1時間前には準備が完了しました。イベントが始まると他の作家さんの所を見に行く時間はないので、オープン前に会場を回り、好きな作家さんに挨拶をすることもできました。

    ライトブース(2m×1m)のスペースにぴったり合うように作ってもらった展示台を組み立てて、先週焼き上がった作品をメインに並べていくと、それなりの数になりました。いつも一番沢山作るマグがほとんどなかったんですが、失敗作のマグに多肉植物を寄せ植えしたものがとても好評でした。

    アイキャッチ用に作った小人の家もイメージ通りになりました。

    お茶碗、小鉢、湯呑み、スープカップ、マグ、ソーサー、豆皿など、大小様々な器を用意することが出来ました。

    風鈴は去年作ったものですが、短冊に刻んだ言霊を読んで、音を鳴らす人も多かったです。風鈴の厚さやフォルムによって音は全て違います。北海道で風鈴はあまり馴染みがないと思いますが、カラフルな風鈴が並んでいると目を引くようです。

    急遽、五郎さんに作ってもらった棚もフル活用しました。作品を見るときにしゃがまないといけないので、足腰に負担がかかってしまうので、申し訳ないのですが、奥にある在庫に手を伸ばし、ひとつひとつ見比べて厳選する人もいました。

    新作がとても好評でした。陶芸をやっている人も多いようで、窯の種類、焼成方法、釉薬の種類など、色々質問されました。

    赤粘土・白化粧土・掻き落とし・透明釉・電気窯・酸化焼成です。

    難しいことはしていませんが、かつて自分がそうであったように、こうやって質問されるようになったことに驚きです。

    午後1時ごろまでがピークでした。すでに半分以上減ったかもしれません。

    下の写真はオープン前の様子ですが、全体が見渡せる場所から写真を撮りました。さすがに1,000店舗が集まると圧巻ですね。

    ここ最近は、モチベーション向上のために年に2回ほどイベントに出展するようになりました。趣味の範疇でやっていますが、ただ何となく作るよりも、誰かに使ってもらう、見てもらうことを意識して作るだけで仕上がりが格段に違ってきます。

    ピアノでもバレエでも何でもそうだと思いますが、習い事をしていると時々「発表会」がありますが、それと同じことだと思います。私にとってイベント出展=発表会なのでしょう。

    自分が客として見に行く時は、好きな作家さんの新作をチェックしていました。なので、自分が出展するときもテーマを決めて、新作を作るようにしています。

    ロクロ挽きに関しては、かなりスピードが上がってきたので、マグやお茶碗サイズのものなら、短時間で大量に挽けるようになりました。普段使いの器は、かなりお安く提供しています。掻き落としなど装飾に手が掛かるものはそれなりの金額にしています。

    これまでは、お友達や職場の同僚が会場まで足を運んでくれて、買ってくれることがほとんどだったのに、今回は80%が新規の方で、そのうち95%が女性でした。私について何の予備知識もなく、作品だけを見て選んでくれたことがとても嬉しかったです。

    また来年も同じぐらいの時期ならば、出展したいと思いました。ありがとうございました。(*^^*)

     

    次のイベントは、6月23日~24日(土・日)の「あかびらツクリテフェスタ」に木工作家の五郎さんとコラボ出展します。あと3週間ほどなので、準備期間はほとんどありませんが、アイディアも浮かんできたので、がんばって作りたいと思います。

     

    可愛いお地蔵さんばかり並べているお店もありましたが、私も昔お地蔵さんを作ったことがありました。成形が終わった時点で恐ろしくなり、すぐに壊しました。笑

    あれから10年以上経ちましたが、よくここまで続けたなーと思います。