てまひまの価値

プロアマ問わず出店できる道内最大級の焼き物イベント「えべつやきもの市」の日程が近づいてきました。素晴らしいテクニックや独自のスタイルを持っているプロの作品を見ることもできるので、焼き物が好きな人はぜひ見に来てもらいたいし、アマチュアが出店できる本格的な焼き物イベントは他にはほとんどないので、鬼のようにたまった器たちの里親探しができる絶好の機会です。

こうしたイベントに出店するときに一番悩むのは、やはり「値段」ですね。お気に入りの作家さんのマグは3~4千円ぐらいします。中には1万円を越えるものだってあります。その作家さんしか出せない色やデザインがあって、そこにたどり着くまでのプロセスには相当な時間とお金が掛かっているし、薪を使った窯となれば、それは完全な一点モノです。買い手は単純にその作品だけを見ているので、裏でどんな苦労をしているかはなかなか見えてきませんよね。しかし、売り手はそのてまひまに対して値段を付けなければ、生計が立てられません。

陶芸をやってみると、原材料にはほとんどお金が掛からないということが分かってくるし、近くの山から粘土を採取すれば、粘土代だってかからないかもしれません。しかし、実用性のある器が出来るまでのプロセスはとても長く、てまひまが掛かります。

私はお客としてイベントを回ることが多かったので、買い手の気持ちもよくわかります。手作りのものは好きだけど、家計を考えるとそんなに買えないんです。でも、こうしたやきもの市に行けば、好きな作品を直接手にとって見ることができるので、見てるだけでもとても楽しいと思いました。買えないから写真ばっかり撮っていましたね。ホント嫌な客だな~と思いますが、ブログで宣伝して、好きな作家さんを少しでも応援できればいいなと思ったり。

不器用で合理主義な私が陶芸にハマるのは不思議な感じもしますけど、一つ一つ人の手によって作られたものは、量産品とはまるで違ったものであり、作り手の情熱がギュッと詰まっています。色や形の好みやフィーリングみたいなものもありますが、やっぱり丁寧に手を掛けられているものは素晴らしいんです。私も自分のスタイルが出せるような器作りを目指していきたいです。

先週成形しておいた軽量土を使った四角い器は全部で10枚用意しました。縁をスポンジでキレイに整えておきました。白マット+ルリで装飾を加える予定でしたが、マット系の釉薬を新しく仕入れたので、新しい釉薬でも試してみようかなと思っています。去年も同じものを作っていますが、お値段は去年と同じで1枚500円にしようと思います。食器など普段使いの器に関しては、シンプルなものが好きです。なるべく手を掛けずリーズナブルな価格で提供したいと思っています。デスクのお供になるマグについては、個性を主張しながらも、使いやすさを追求していきたいです。手を掛けたものについては、それなりの価格でリリースしようと思っています。

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小さいオマルには、白化粧土を準備して、装飾していきます。

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粘土がすっかり硬くなってしまって、掻き落とすのも一苦労でした。奥の2点はカンナと手芸用のルレットで掻き落とし、手前の2点は剣先でニャンコを描いていきます。鉛筆風のタッチにしたいと思っていたんですけど、ニャンコのフォルムがなかなか難しくて…(´ヘ`;) う~ん・・・ 失敗を恐れて思い切りにも欠けているし、ありきたりな感じです。私らしさが全然出てないなぁ~と思いました。

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反対側には顔を描こうと思ったんですけど、顔で失敗しそうだったので、上にラインを入れて終わりにしました。このフリーカップは結構厚みがあるので、ズッシリ重いんです。facebookでお友達に見てもらったら、案外評判が良さそうだったんですけど、カップ本体の乾燥が進みすぎているので、化粧土がうまく定着するか心配です。この鉛筆風のタッチはこれからもうちょっと研究していきたいなと思っています。

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色化粧土を使ったものもあるので、全部で6点ほどあります。手前のは底にヒビが入ってしまい、補修しているところでポッキリ折れてしまったので、化粧土を掛けて富士山(羊蹄山)にしました。底がないので、何の役にも立ちませんが、ブレスレットホルダーとして使えるかもしれません。あ~、ブレスレット持ってないや。

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そして、期待の新作の装飾もしていきます。フリーカップ数点と片口のストローマグには黒化粧土で牛柄を施しました。ストローマグは、私のオリジナルデザインです。評判が良さそうならもっと沢山作ろうと思っています。飲むヨーグルトをストローで飲むために考えたデザインですが、アイスコーヒーや牛乳などにもいいと思います。化粧土を掛けなかったものは、真っ白にするか、新しい釉薬を試してみます。

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来週の窯入れのために板さんが釉薬の準備をしてくれました。粉末釉薬は水を入れて少し寝かせておくと良いそうです。来週は忙しくなりそうです。

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